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2015.06.12 
原料原産地表示、早急に討議を 食品表示で学習会一覧へ

 NPO法人食品安全グローバルネットワークは6月11日に国会内で「どうする食品表示」をテーマに学習会を開催。消費者・市民団体、農業関係者などが参加した。

 平成25年6月に公布された食品表示法はこの4月1日施行された。
 しかし、栄養表示の義務化など新法に基づく表示に完全移行するまで5年の経過期間を置いた。さらに加工食品の原料原産地表示の拡大問題については先送りされたまま。
 講師に招かれた主婦連合会の山根香織参与は「食品表示の一元化検討会での議論からすでに4年が経過。さらに5年の経過措置は長過ぎ。ただちに新ルールへ移行すべき」と主張するとともに、食品表示法成立時には国会(衆議院の消費者特別委員会)が付帯決議をしていると強調した。
 その決議では加工食品の原料原産地表示や食品添加物表示のあり方など「法成立後、…可能な限り速やかに着手する」と盛り込まれているとして「原料原産地表示は表示拡大のため新しいルールをつくり、消費者に誤解を与えない産地表示のあり方について速やかに議論を始めるべき」と訴えた。
 加工食品の原料原産地表示については、学習会に出席した篠原孝・民主党衆議院議員も「日本農業を支え守るには表示が必要」と話した。
 しかし、新法が施行されても「何も変わっていない」と講師に招かれたJA全農食品表示・品質管理部の立石幸一部長は強調した。
 新しい食品表示基準では「加工」という概念について、食材に「新しい属性を付加すること」という考え方に統一された。 しかし、この考え方に即した実際の事例では、原料原産地表示が必要な「生鮮食品」と思われるものでも、表示不要となる例がある。たとえば、「アジのたたき」は生鮮食品だから原産地表示が必要だが、「アジのなめろう」は「加工食品」だから表示不要となる。野菜でも同種類のカット野菜セット(キャベツと赤キャベツなど)なら生鮮食品だから原産地表示が必要だが、異種類を組み合わせたカット野菜セット(キャベツとレタス、ピーマン)は「加工食品」となり表示不要となってしまう。
 こうした混乱を正すためにも、加工食品の原料原産地表示が必要だ。ところが、加工食品の原料原産地表示については、原料原産地の違いが「加工食品としての『品質』に影響を与える」という考え方に立っている。
 つまり、キャベツ、レタス、ピーマンの「カット野菜セット」という「加工食品」の品質に原産地が影響を与えなければ表示はしなくていい、という考え方なのである。
 ただ、輸入品については原産国名を表示することが義務づけられているが、日本国内で高度に加工(=実質的な変更)された場合には原産国はメイドインジャパンになる。
 たとえば、▽海外で串に刺してあぶった焼き鳥を冷凍で輸入、▽これを国内の食品メーカーで解凍し調理・加熱した場合は、実質的な変更は国内で行われたとして製造者はこの食品メーカーとなる。したがって、“国産”だから原料の原産国表示はされなくていい。
 A国産のいりごまとB国産のちりめんじゃことをC国で混合した場合、C国が原産国となる。「C国が日本である場合は、原産国名の表示は不要です」。これは消費者庁の食品表示Q&Aにある説明だ。原産地はどこか情報は提供されない。
 立石部長はこうした事例の問題点を指摘し、原料原産地表示は「品質に影響したかどうか」をその必要性の基準としていたのでは消費者が求める情報がいつまでたっても提供されないと強調し、今までの「要件を撤廃し新たなルール原案を消費者庁が作成して早急に討議すべき」と話した。また、わが国では食品表示制度など食に関する「情報開示」が不十分ななか、韓国や米国などでは表示強化が進み、海外への輸出拡大にも壁となっている現実にも目を向けるべきと指摘した。

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