伸びる機能性表示別市場 富士経済まとめ2016年3月30日
(株)富士経済は3月18日、機能性表示別市場分析編をまとめた。
今回の調査は、機能性表示食品を特定保健用食品や栄養機能食品と比較して商品区分別、美肌効果など訴求効能別などでまとめた。
機能性表示食品は2015年に303億円、2016年には699億円の売上げを見込んでいる。しかし、これは昨年の調査時点での見込み金額であるため、2016年以降に届出が受理されるなどし商品数の増加が考えられるため、実際は予測値を大幅に上回るとみている。
特定保健用食品の2015年売上げは3862億円(前年比101.9%)、2016年は3840億円の売上げ見込み。2016年は特別保健用食品よりも低コストで速く商品化できる機能性表示食品へシフトする企業が考えられ、その影響で6年ぶりのマイナスと見込んでいる。
栄養機能食品は2015年に1029億円、2016年に1034億円を見込んでいる。機能の裏付けや証明など示されている点で購買動機につながる。パッケージで機能を表示しないため前述の食品のような効果は期待できないものの、一定の市場を維持すると分析している。
【機能性表示食品市場】
商品区分別は、2015年はほぼドリンク類や健康食品・サプリメントが大半を占めている。ドリンク類はTVCMなどで告知を行う企業が多く、消費者の機能性表示食品への認知のきっかけとなった。
健康食品・サプリメントは50アイテムほどすでに発売されている。届出も相次いでいるため、機能性表示食品市場の拡大を牽引するとみている。
【特定保健用食品市場】
2014年は「伊右衛門 特茶」による牽引に加え、中性脂肪値と血糖値改善を訴えるダブル特保ドリンクが底上げした。2015年は初となる特保のノンアルコールビール「サッポロプラス」が発売され、さらなる市場拡大に寄与した。
ドリンク類が全体の65%を占め、ヨーグルト類や菓子も好調だ。
【栄養機能食品市場】
栄養機能食品はビタミン・ミネラルによる基礎的な栄養補給の位置づけにあるため、内容もすべて同一となり競合商品と差別化がされにくい。そのため特保のような注目度の高まりや盛り上がりがみられない。
【訴求効能別】
整腸効果は特保のほとんどが該当するほか、特保以外のものも整腸効果を訴える商品が多く、整腸効果が市場の7割以上を占めている。免疫賦活作用は「明治プロビオヨーグルトR-1」が8割強を占める。生活習慣予防は「明治プロビオヨーグルトPA-3」「恵megumiガセリ菌SP株ヨーグルト」などが加わり大幅増が見込まれている。
同社は注目市場として健康・美容のヨーグルト類を取り合げている。加工食品全体のヨーグルト類市場は2015年に3062億円の見込みで、そのうち、健康・美容ヨーグルト類は1535億円。特保は2015年の健康・美容ヨーグルト類市場の37.3%を占める。また機能性表示食品は市場の2.6%を占める。
機能性表示食品は昨年4月から届出受付が始まり、6月12日に初めて機能性表示された商品が発売され、その後も多くの商品が発売されている。具体的な機能性を商品パッケージなどに掲載できる。今後も健康・美容目的の食品市場に影響を与えると同社では分析している。
(関連記事)
・健康食品の安全性・機能性で意見交換会 大阪と東京で 農水省等 (2016.02.12)
・機能性表示食品「カゴメトマトジュース」新発売 カゴメ(株)の減塩への熱意 (2016.01.27)
・「無洗米GABAライス」機能性表示食品に サタケ (2015.10.23)
重要な記事
最新の記事
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(25)【防除学習帖】 第264回2024年9月7日
-
土壌診断の基礎知識(34)【今さら聞けない営農情報】第264回2024年9月7日
-
シンとんぼ(108)-みどりの食料システム戦略対応 現場はどう動くべきか(18)-2024年9月7日
-
(400)通過点で考えること【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年9月6日
-
JA貯金 残高108兆6185億円 農林中金2024年9月6日
-
適用拡大情報 殺虫剤「トルネードエースDF」 FMC2024年9月6日
-
米の需給 「締まる」見込み強まる 米取引関係者の判断 米穀機構2024年9月6日
-
JA沖縄 24年産米の買い取り価格引き上げ2024年9月6日
-
米 集荷現場や販売先と連携 円滑流通に努力 山野JA全中会長2024年9月6日
-
「やまが和栗」出荷開始 JA鹿本2024年9月6日
-
全国トップクラス「うずら卵」産地・豊橋市で「うずらを愛そう。うずLOVE運動」始動2024年9月6日
-
酒どころ新潟・長岡の酒蔵が集結「越後長岡酒の陣」21日に開催2024年9月6日
-
伊勢丹タータンデザインの日本酒「ICHI-GO-CAN」限定発売 Agnavi2024年9月6日
-
「日清ヘルシークリア」日本パッケージングコンテストで食品包装部門賞2024年9月6日
-
「スイカモザイクウイルス検出キット」開発 ウリ科野菜モザイク病の原因ウイルスを迅速診断2024年9月6日
-
鳥インフル ハンガリー2県からの生きた家きん、家きん肉等の一時輸入停止措置を解除 農水省2024年9月6日
-
第162回特別勉強会『普及拡大に向け、「今」求められる次世代環境制御』開催 植物工場研究会2024年9月6日
-
村上農園 世界小児がん啓発キャンペーンに協賛 11日に広島城をライトアップ2024年9月6日
-
全国の旬のぶどうを食べ比べ「国産ぶどうフェア」10日から開催 JA全農2024年9月6日
-
人手不足の課題解決へ 収穫ロボットをJA全農いわてへレンタル AGRIST2024年9月6日