【注意報】野菜・花き・豆類にハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウ 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2024年10月4日
兵庫県病害虫防除所は、野菜類・花き類・豆類にハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウが県内全域で多発のおそれがあるとして、10月4日に令和6年度病害虫発生予察注意報第4号を発表した。
写真1:ハスモンヨトウ(左:白変葉、中:若齢幼虫、右:卵塊※白変葉:初期食害葉)
(提供:兵庫県病害虫防除所)
兵庫県病害虫防除所によると、加西市に設置しているフェロモントラップにおいて、9月中旬以降、成虫の誘殺数が平年を大きく上回っている。9月下旬に実施した大豆圃場巡回調査において、発生ほ場率が100%(12地点/12地点)となり注意報を発表した昨年同時期の75%(9地点/12地点)に比べて高かった。1アールあたりの白変葉(群棲する若齢幼虫による食害:写真1)も10か所(2023年同時期3.4か所)と多かった。
写真2:中齢幼虫(左:ハスモンヨトウ頭部の後ろに1対の斑紋、右:シロイチモジヨトウ)
(提供:兵庫県病害虫防除所)
9月下旬に加西市の大豆予察圃場で実施した調査では、1アールあたりの白変葉が、白大豆で8か所(平年1.1か所)、黒大豆で6か所(平年1.1か所)と平年より多かった。
阪神地域のキャベツ圃場、播磨地域のキャベツ、だいこん、はくさい及びブロッコリー圃場、淡路地域のキャベツ、レタス圃場において広く幼虫の発生を認めている。
写真3:ハスモンヨトウによるキャベツ被害葉(提供:兵庫県病害虫防除所)
シロイチモジヨトウの発生状況としては、加西市に設置しているフェロモントラップにおいて9月以降、成虫の誘殺数が平年を上回っている。また、阪神地域のキャベツ、播磨地域のキャベツ、ねぎ及びブロッコリー圃場、淡路地域のキャベツ、ねぎ、たまねぎ及びレタス圃場において幼虫の発生を広く認めている。
大阪管区気象台が9月26日に発表した近畿地方の1か月予報によると、近畿地方の向こう1か月の気温は平年より高い状態で推移すると予想。これまでに成虫の活動が活発な状態であったことからも、今後しばらくこの状態が続くと考えられ、幼虫が多発し被害も長期に及ぶことが懸念される。
写真4:シロイチモジヨトウによる被害葉(左:大豆、中:ねぎ、右:カーネーション)
(提供:兵庫県病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇両種とも加害作物は、キャベツ、はくさい等の野菜類から、カーネーション、きく等の花き類、大豆、小豆等の豆類と広範囲に及ぶ。
〇卵は鱗毛で覆われた卵塊で産み付けられ、孵化直後の若齢幼虫は集団で加害する(例:写真1、3、4)。卵塊や分散する前の若齢幼虫の早期発見に努め、速やかに捕殺する。
〇成虫の産卵防止対策には防虫ネット(目合4mm以下)、黄色灯、性フェロモン剤(交信かく乱剤)の利用が有効。
〇中・老齢幼虫には殺虫剤の効果が低くなるため、薬剤防除は若齢幼虫期に行う。シロイチモジヨトウでは、一部のジアミド系薬剤の殺虫効果が低く、圃場間差もみられるため、使用にあたっては防除効果の確認に努める。
〇薬剤散布を行う場合は、農作物病害虫・雑草防除指導指針等を参考に薬剤を選定し農薬使用基準を守る。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日