金芽米の生産・販売好調に推移 東洋ライス2013年8月2日
東洋ライス(株)は7月31日、中央区銀座の本社ビルで「タニタ食堂の金芽米」「タニタ食堂の金芽米ごはん」など金芽米の生産・販売状況と、同社52期決算要旨を公表した。
昨年11月に発売された「タニタ食堂の金芽米」「タニタ食堂の金芽米ごはん」は、発売直後より全国の米穀卸企業やスーパーなどから引き合いが相次ぎ、取扱い店舗が全国へと急速に拡大した。
金芽米商品は、現在では北海道から沖縄まで、全国のスーパーなど3000店舗以上で販売されている。ちなみに1メーカーのコメ商品(加工商品を除く)が、全国で販売されるのは、史上初の出来事だろう。
値下げしてもコメが売れない状況は、24年産米の高騰により、コメの消費が伸び悩んだことが影響している。米穀企業各社は、24年産在庫米を大量に抱え込み、その処分のため市場には大幅に値下げしたコメが、3月頃から出回り始めた。
こうした状況のなか、金芽米は、販売開始当初からの高価格(4.5kg袋だが、他の5kg袋より高価)を維持しているにもかかわらず、売り上げは好調だ。あるスーパーの1店舗では、コメ商品72品目のなかで、4月以来、金芽米の販売数量は常に突出して月販連続1位をキープしているという。 無菌包装米飯市場は、既に大手企業の先発ブランド商品が多く存在し、そのほとんどが安売り商品だ。「タニタ食堂の金芽米ごはん」は全く無名ブランドの後発商品であり、数少ない高額商品だが、大手食材卸から取扱い申し込みがあるなど、量販店の取扱い店舗が全国に急速に拡大。その売り上げは、右肩上がりで上昇するとともに、先般、米穀業界紙に掲載された、約500」アイテムの加工米飯の中で「売れ筋POSベスト50アイテム」にランクインした。同種商品の中で最も高価格だが、4月は18位、5月は15位、6月は13位と順位を上げている。
「タニタ食堂の金芽米」商品が広く消費者に浸透したことにより、その他の金芽米商品の売り上げも大きく伸びた。金芽米全体の販売重量は、前年同月比で4月度205%、5月度199%、6月度162%と大幅に上昇した。同社通販サイトでの6月度の販売数量は、過去最高の340%となった。
これらの要因としては、(株)タニタとのコラボにより、消費者に商品の健康イメージが浸透してきたことや、美味しさと健康効果が認知されてきたことがある。
今年4月に、香川大学医学部の研究グループにより発表された、金芽米の「自然免疫力活性化効果」が、マスコミで大きく取り上げられたことも要因として考えられる。
金芽米はこれまでの「炭水化物との位置づけのコメ」とは異なり、「薬食同源のコメ」として、全く別の価値観で消費者に認知されてきているがゆえに、高価格であっても需要が高まっているものと、同社は考えている。
東洋ライス(株)第52期決算公告によると、資産合計189億5000万円、負債合計21億7000万円、純資産合計167億7900万円。
(写真)記者発表する雑賀社長(左)と阪本副社長
(上図をクリックすると拡大したグラフが表示されます。)
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