ネット販売を本格化 JA全農の26年米穀事業2014年5月7日
JA全農の26年度米穀事業は、飼料用米や加工用米など「水田活用米穀」を含めて346万t以上の集荷に取り組むほか、販売面では近年購入先として伸びているインターネット通販の本格的開始や宅配事業者との連携による飲食店向け販売などの構築といった事業展開で販売力の強化を図る。
◆「ネット」が「生協」抜く
消費者の精米購入先の第1位は量販店であることに変わりはないが、最近では第2位にインターネット販売が躍り出ている。米穀機構(米穀安定供給確保支援機構)の「米の消費動向調査」によると今年2月の調査結果では「量販店」45.9%、「インターネット販売」10.6%、「生協」7.4%となった。「家族・知人からの無償譲渡」19.7%を除けば購入先としては2位となった。24年度では「生協」7.8%、「インターネット」7.4%と生協のほうがまだ購入先割合は高かったが、25年4月以降の毎月の調査結果を追ってみると、この逆転現象は定着している。 JA全農に推計によれば家庭消費375万tのうち、インターネット販売による購入量は28万t程度で8%を占める。
こうした動向をふまえてJA全農は、26年度からインターネットによる精米販売を本格化させる。事業の具体化にあたっては複数のネット通販を利用する方針だ。
また、小規模な飲食店の米の仕入れニーズに応えるため、1日15kg程度の精米を宅配業者と連携して配送・販売したり、同様の連携で消費者にも届ける事業の仕組み構築にも取り組む。小口物流を利用した販売拡大の取り組みで米穀部内に専用部署を設置する。
そのほか全農ブランド商品として、米や加工品開発も行ってアイテムに加えていく。
パールライス事業では、東西パールライス会社をこの秋にも統合して大手実需者への対応力を強化するほか、業態別ニーズに応じた商品提案による新規取引先の開拓、競争力強化の向けた精米工場の整備、パールライス卸間のノウハウ共有による炊飯事業の拡大なども進めることにしている。
輸出については25年度見込み販売量を倍増させ600tをめざす。シンガポール、香港、台湾が中心だが、中国向け輸出にも取り組む。
◆業務用向けに多収品種
生産面では、米政策の見直しを受けて飼料用米・加工用米など水田活用米穀の拡大に取り組む。水田活用米穀は25年産見込みで26万tだったが、26年産では46万tを目標にする。内訳は飼料用米14万t(25年産4万t)、加工用米12万t(同8万t)、米粉用米1万t(同1万t)、備蓄用米19万t(同14万t)とした。一方で生産者手取り額を平準化するため、県レベルで産地資金を活用するなどの方法で共同計算の仕組みも検討していく。
家庭消費より外食・中食などの業務用需要が増大していくなか、生産者手取りを確保していくため多収穫品種の契約栽培提案を産地に行っていくほか、主食用からふるい下米まで一体で集荷する面積契約提案も推進する。これらの取り組みと合わせ集荷目標達成に向けて、倉庫料など低コスト化も含め県共計の運営改善や、買取・JA個別精算などの多様な集荷方法まで「事業競争力のある共同計算方式」(JA全農)の構築に取り組む方針だ。
そのほか大手実需者との安定的取引の確保に向けて▽買取・契約栽培や持ち越し米の結びつけなど多様な手法を活用した直接契約の拡大、▽面積単位やサイロビン単位での売買など新たな契約手法の導入、▽播種前・収穫前・複数年契約の拡大による需給変動に大きく影響されない流通体制の構築なども進める。
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