稲作の拠点をフィリピンに新設 BASF2017年12月8日
BASF(ドイツ)は、フィリピンのラグナ州ベイにあるBASFの農業研究所にライスナレッジセンターを開設した。
この新施設は、BASFの稲作における世界的な専門知識を一元化し、より持続可能な形で生産性を高めたいと考える稲作農家に、高度な農学的、技術的サポートを提供し支援することを目的に設置された。
これによって、世界各地にいる同社の農薬分野専門家や技術担当者は、生産者に研修やアドバイス、支援を提供するときに、ライスナレッジセンターを利用できるようになり、新センターでの実演圃場や実地試験は、アジア太平洋地域に点在するBASFの研究拠点の業務を補完することになる。
世界のコメの90%はアジアで生産され、消費されているが、近い将来、BASFはアジア太平洋地域の主要なコメの生産国に、従来の形で交配させた除草剤耐性のハイブリッド種子に合うよう設計された除草剤を組み合わせ稲の直播栽培用の生産システム、Clearfieldと Provisiaを投入することにしている。 稲の直播栽培は従来の移植栽培と比べると必要とする水量が少なく、温室効果ガスの排出量も低減できる。Clearfieldはすでに、マレーシアを含む世界10カ国以上の稲作農家が利用している。こうした技術の導入を加速させるため、同社は既報のようにIRRI(国際稲研究所)と複数の協力合意を締結した。
同社のアジア太平洋地域の研究開発部門を率いるエドソン・ベグリオミーニ氏は、「新しいセンターの開設により、水田の水生環境に優しく、非常に効果的な殺菌剤Seltimaや、多くの一般的な稲作害虫に効果のある革新的な殺虫剤Xemcoなど、アジア太平洋地域のコメ生産者の方々に向けて新たに市場に投入したソリューションをサポートします。この中心となるプラットフォームを介して、私たちは業界、現地政府、学界との関係や連携を深められるでしょう。アジア太平洋地域のコメ生産者の方々が現在直面している共通の課題に、力を合わせて対処していきます」と語っている。
また、同社農薬事業本部アジア太平洋地域のシニアバイスプレジデントであるグスタボ・パレロシ・カルネイロ氏は、「世界人口の半数以上の人々が、コメを主食としています。稲作農家の方々は、環境への影響を最小限に抑えつつ、コメへの高まる需要を満たすうえで、大きな課題に直面しています。新たに開設したBASFのライスナレッジセンターによって、私たちは生産者の方々と最新の技術や成功事例を共有できるようになり、稲作におけるイノベーションをさらに推進することが可能になります」と語った。
(関連記事)
・稲の直播栽培促進で提携 IRRIとBASF(17.12.06)
・バイエルの種子事業と非選択性除草剤買収で合意 BASF(17.10.16)
・除草剤耐性の新形質発見に向け提携 BASFとKaiima(17.08.02)
・新規殺菌剤開発で戦略的協力関係を構築 住友化学とBASF(17.06.13)
・2016年業績発表 売上高は576億ユーロ BASF(17.03.01)
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