学校給食で牛乳中止 日本栄養士会が反論2014年4月25日
先月、新潟県三条市が平成26年12月から3月までの4か月間、市内の全30小中学校で試験的に学校給食での牛乳を中止することを決めたことに対し、日本栄養士会が4月24日、「児童生徒に一層のカルシウム不足を招くおそれがある」などとした見解を発表した。
同市では20年から完全米飯給食を実施しているが、市の給食運営員会ではかねてから「ご飯食に牛乳は合わない」などとして、給食での牛乳供給を中止しようという意見が出されていた。さらに、25年12月に和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたことをうけ、試験的な一時停止を決めたという。
これに対し、全国の管理栄養士などでつくる日本栄養士会は、「学校給食での牛乳の提供をやめることには、いろいろな角度から慎重に考えるべき」とする見解を出した。
見解では、学校給食での牛乳の提供は、学校給食法で、適切な栄養摂取、健全な食生活、伝統的な食文化への理解を深めること、食料の生産・流通・消費を正しく理解すること、などと定められた7つの目標に合致しており、そのいずれとも相反しないことを説明。そのなかでは、「和食の良さは、米飯を主食にどの食材も組み合わせができるという幅広さ」にあり、牛乳の提供は「和食の推進とは、相容れないものではない」としている。
また、これまで牛乳の提供が「日本人の体力、体位の向上に大きく役立ってきた」こと、「命の大切さや生産者の苦労に対する感謝の気持ちを育む教育」を行うための「身近で有効な教材として活用」されていることを紹介するとともに、学校給食がない日の児童生徒のカルシウム摂取量が基準よりも3?5割不足しているとの調査をもとに、「児童生徒に一層のカルシウム不足を招くおそれがる」と指摘している。
(関連記事)
・5月31日 牛乳と食文化を考えるフォーラム(2014.04.23)
・【わがJA 一品厳選】[2]ナタネ油・ヒマワリ油(JAあづみくらしの助け合いネットワーク「あんしん」・長野)(2014.04.17)
・都市農業こそ農の価値発信を JA全中がシンポ(2014.03.13)
・国会決議実現と基本農政確立で決議 全中総会(2014.03.10)
・2月28日、福岡で都市農業シンポ JA全中(2014.01.20)
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日