途上国の農協設立など国際協力推進-JICAとJAグループ連携協定2019年5月8日
JAグループは発展途上国の農業振興のための農業者の組織化などの支援をさらに進め、アジア・アフリカなど農村発展に貢献しようと独立行政法人国際協力機構(JICA)と連携協力する基本協定を締結し5月7日、東京・大手町のJAビルで署名式を行った。途上国の協同組合づくりなど支援に全国の青年農業者やJAグループ若手職員などが積極的に関わることは、わが国の将来の地域農業とJAグループのリーダー育成につながる取り組みだとしても位置づけ推進する。
連携協定に署名した中家徹JA全中会長(写真中央左)と北岡伸一JICA理事長(同右)。
同左は小里泰弘農林水産副大臣、同右は鈴木憲和外務大臣政務官
JAグループはこれまでも1960年代からアジア農業協同組合振興機関(IDACA)を通じてアジア・アフリカ地域の農業関係行政職員や農協職員の研修を通じて、農業者の協同組織設立と運営支援などを行ってきている。その数は今年3月末時点で133か国・地域から6400名余りとなっている。都市部の経済発展が進むアジア地域でも、農村部では小規模な家族農業が人口の多くを占め、生産・販売力と所得向上には農業者の組織化などが一層重要になっている。
これまでの研修には政府開発援助の実施主体であるJICA(国際協力機構)からの委託で実施しているプログラムもあり、今回の連携協定締結についてJICAの北岡伸一理事長は「これまで両組織が協力してきた歴史と成果をふまえ、それをさらに発展させるもの」と述べた。そのうえで発展途上国の支援現場では「日本農業の力が期待されている」といい、「小規模な家族農業者が農産物の出荷や生産資材の仕入れなどで協同している日本は先進国」と期待する。
また、途上国の農業振興支援は食料安全保障にもつながるだけでなく、海外協力を通じた外国人材の地方への受けれは労働力の確保にも貢献できるとして「JAグループと協力は一層重要性を増す」と述べた。
署名式に出席した小里泰弘農林水産副大臣は今回の提携について「途上国の協同組織の機能強化による真の農村活性化になる」と期待を寄せた。鈴木憲和外務大臣政務官は途上国支援も水田整備などハードの支援から人材・組織づくりなど「ソフト支援が必要になっている」と強調した。
協定では▽技術協力専門家・調査団派遣事業、▽研修生受け入れ事業、▽海外協力隊事業、▽草の根技術協力事業などを推進するとし、具体的な事項については両組織で設置する連絡協議会で検討していく。
JA全中の中家徹会長はJAグループとしての国際協力の意義やメリットを組織内に周知し、輸出や労働力確保などで海外に関心を持つJAや県域組織などを後押して「海外とのウィンウィンの関係づくり」に貢献するとともに、国際協力に参加する青年農業者やJAの若手職員などが、その経験をもとに「協同組合の重要性に気づいて地域でリーダシップを発揮していこうという例もある」として今後の将来の地域とJAづくりにも役立つ取り組みだと強調した。
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