次世代が生産現場にエール ごはん・お米とわたし作文・図画コン表彰式 JAグループ2024年1月9日
次世代を担う小中学生に稲作をはじめとして日本の農業を身近なものとして学んでもらおうとJAグループが実施している「ごはん・お米とわたし作文・図画コンクールの表彰式が1月6日に東京・平河町のJA共済連ビルで開かれた。

第48回を迎えた今回は全国38都府県から作文部門に3万649点、図画部門に4万2943点の応募があった。
主催者の山野徹JA全中会長は日本の食料自給率が38%と低いなか、JAグループは「国消国産」の考え方を提起しており、このコンクールもその実践に通じるもので「みなさんに日本の豊かな食卓と田園風景を作り上げてきたごはん・お米、稲作を身近なものとして学んでほしい」とあいさつした。
入賞者のなかには能登半島地震で大きな被害が出ている石川県の小学生も受賞したが出席できず、また、通っている小中学校が避難所になっているところもあるという。
審査委員長(図画部門)で教育評論家の尾木直樹氏は「不安になっている人もいると思うが、今日は日常を取り戻す第一歩になってほしい。心からおめでとうの言葉を贈りたい」と入賞者を励まし「これからも描きつづけて」と呼びかけた。
髙橋颯太さん
作文部門で内閣総理大臣賞を受賞したのは秋田県の髙橋颯太さん(中学3年生)の「ライバル」。秋田県のライバルは同じ米どころの新潟県だと考え、最近は新品種「サキホコレ」を開発し「両県は切磋琢磨し頑張ってきた」。しかし、異常高温によって令和5年産米は両県とも生産がピンチだということを知り、情報を集め、当たり前のように食べていた米づくりにさまざまな苦労、努力があることを知る。
高橋さんは受賞を聞いて「びっくり。友達も叫ぶ勢いで喜んでくれた」と話し、食べることが大好きなことがこの作文のきっかけになったという。米づくりの苦労などを知って「食べ物の生産をがんばってほしいと思っています」と話す。4月からは高校生。「勉強をがんばりたい」。
津久戸花実さん
図画部門で内閣総理大臣賞を受賞したのは埼玉県の津久戸花実さん(小学校6年)。作品名は「力いっぱい炊あがれ」。
飯盒で米を炊く自分の姿を描いた。力いっぱい息を吹き込んでいる顔には眉間のシワも描いた。勢いよく燃える炎はオレンジや赤など何色も使って最後までこだわった部分だという。
津久戸さんは「スイッチひとつで炊くごはんと違い、時間はかかるけれど甘くておいしいごはんができる」という。そのおいしさを炊きあがったごはんで描くのではなく、火吹き竹で炊き上げる姿に込めた。将来の夢は建築家、と話した。
【内閣総理大臣賞】
〈作文部門〉
髙橋颯太(秋田県東成瀬村立東成瀬中学校3年)
〈図画部門〉
津久戸花実(埼玉県狭山市立山王小学校6年)
【文部科学大臣賞】
〈作文部門〉
大木梨音(長崎県長崎市立日見小学校3年)
篠崎灯里(茨城県桜川市立雨引小学校5年)
本田皓(宮城県石巻市立石巻中学校3年)
〈図画部門〉
明石隼弥(佐賀県小城市立牛津小学校1年)
川上ましろ(新潟県南魚沼市立塩沢小学校5年)
伊藤風華(秋田県秋田県立横手支援学校中学部1年)
【農林水産大臣賞】
〈作文部門〉
二塚王誇(富山県高岡市立西条小学校1年)
永島琉楓(群馬県大泉町立南小学校6年)
中尾文香(佐賀県多久市立東原庠舎中央校9年)
〈図画部門〉
野部零(栃木県那須塩原市立大山小学校2年)
東彩葉(三重県尾鷲市立宮之上小学校6年)
嶋崎こころ(新潟県上越市立城北中学校3年)
【全中会長賞】
〈作文部門〉
松原大樹(石川県珠洲市立直小学校3年)
池田菜生(新潟県上越教育大学付属小学校5年)
黒澤堅仁(山形県米沢市立第四中学校1年)
〈図画部門〉
東福寺知歩(群馬県高崎市立塚沢小学校2年)
石河亮介(高知県高知市立一ツ橋小学校6年)
上田宗佑(山口県周南市立熊毛中学校2年)
エトキ
入賞者のみなさん
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(173)食料・農業・農村基本計画(15)目標等の設定の考え方2025年12月20日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(90)クロロニトリル【防除学習帖】第329回2025年12月20日 -
農薬の正しい使い方(63)除草剤の生理的選択性【今さら聞けない営農情報】第329回2025年12月20日 -
スーパーの米価 前週から10円上がり5kg4331円に 2週ぶりに価格上昇2025年12月19日 -
ナガエツルノゲイトウ防除、ドローンで鳥獣害対策 2025年農業技術10大ニュース(トピック1~5) 農水省2025年12月19日 -
ぶどう新品種「サニーハート」、海水から肥料原料を確保 2025年農業技術10大ニュース(トピック6~10) 農水省2025年12月19日 -
埼玉県幸手市とJA埼玉みずほ、JA全農が地域農業振興で協定締結2025年12月19日 -
国内最大級の園芸施設を設置 埼玉・幸手市で新規就農研修 全農2025年12月19日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】「経済関係に戦略性を持ち込むことなかれ」2025年12月19日 -
【農協時論】感性豊かに―知識プラス知恵 農的生活復権を 大日本報徳社社長 鷲山恭彦氏2025年12月19日 -
(466)なぜ多くのローカル・フードはローカリティ止まりなのか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月19日 -
福岡県産ブランドキウイフルーツ「博多甘熟娘」フェア 19日から開催 JA全農2025年12月19日 -
α世代の半数以上が農業を体験 農業は「社会の役に立つ」 JA共済連が調査結果公表2025年12月19日 -
「農・食の魅力を伝える」JAインスタコンテスト グランプリは、JAなごやとJA帯広大正2025年12月19日 -
農薬出荷数量は0.6%増、農薬出荷金額は5.5%増 2025年農薬年度出荷実績 クロップライフジャパン2025年12月19日 -
国内最多収品種「北陸193号」の収量性をさらに高めた次世代イネ系統を開発 国際農研2025年12月19日 -
酪農副産物の新たな可能性を探る「蒜山地域酪農拠点再構築コンソーシアム」設立2025年12月19日 -
有機農業セミナー第3弾「いま注目の菌根菌とその仲間たち」開催 農文協2025年12月19日 -
東京の多彩な食の魅力発信 東京都公式サイト「GO TOKYO Gourmet」公開2025年12月19日 -
岩手県滝沢市に「マルチハイブリッドシステム」世界で初めて導入 やまびこ2025年12月19日


































