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JAの活動:動き出す JA農業経営コンサルタント

【動き出す!JA農業経営コンサルタント】 (3)チーム力で幅広く提案 JAしまね2022年4月11日

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JA農業経営コンサルティングは、総合事業を展開するJAがその機能を発揮して農業経営を支援し、組合員の目標を実現する取り組みだ。今回は全国に先駆けてJAが総合力を発揮する体制をつくり、農業経営コンサルティングの取り組みを進めてきたJAしまねの実践を、2月に農業経営コンサルタント認証を受けた同JA斐川地区本部営農部営農企画課の原紀行係長と大国満瑠主任に聞いた。

原さん(右)と大国さん原さん(右)と大国さん

JAしまねでは、平成28(2016)年からJAの総合事業の力を発揮したJAらしい農業経営コンサルティングに取り組んでいる。

11の地区本部ごとに経営支援チームをつくることにしており、斐川地区本部ではチームの中心となる経営支援担当者(農業経営コンサルタント)のほか、営農指導員、融資課、資材課、農機課、園芸課、農産課、TACなどの各部署職員と、JA本店の経営支援担当者、さらに県と市町村の担当者で構成する。

総勢で10人ほどのチームがそれぞれの立場、専門性を生かして支援先の現場実態を見て、生の声を聞き問題を抽出、経営改善の提案を行っていく。

今回は令和2(2020)年度に斐川地区本部の経営支援チームが支援先に選定した出雲市内の「農事組合法人A」への実践について当時、本店担当者としてチームに入った原係長と地区本部の経営支援担当の大国主任に聞いた。

平成28年に設立された(農)Aは集落営農組織で組合員は19人。水稲、ハトムギ、大豆を中心に合わせて25haほどの規模で栽培し、50代、60代の専従者を中心に作業を行っている。

課題は繁忙期の労働力不足を補う後継者の育成。その雇用のためには経営力の向上が必要だが、湿田地帯のため作型体系が定まっておらず、地域にあった作物で収益を上げる必要があった。ハトムギとエゴマの栽培にも取り組んでいたが、技術の確立が課題だった。

現地での聞き取りではほかにもさまざまな課題が浮かび上がった。たとえば、ハトムギでは発芽不良が多く、組合の専従者たちが想定しているよりも徹底した肥培管理が必要なことが、チームの一員である営農指導員から現場を見て指摘された。

大国主任は「栽培指導はやはり経営支援担当者では不十分になりがち。現場を回っている営農指導員が的確に問題を見抜くなど、多くの部署の職員がチームとして一度は現場に入ることで分かったことも多い」と話す。

立場や専門の違う職員が現場で感じた「違和感」を話し合うことが大事だという。それが支援先の課題の抽出と改善提案につながる。たとえば、(農)Aのハトムギ栽培では、ほ場が均一でなく低地には水がたまってしまうという指摘も出た。そこでトラクターダンプによる田の均一化を提案、単収の向上を実現した。

エゴマでは作業効率を上げるため定植作業にJAが全自動移植機を貸し出し、5人で4日かかっていた作業を2人で1・5日に短縮した。販売先についてもJAのほか、集落内にある保育所での庭先販売など、地域内で同法人の取り組みを知ってもらう提案も行った。

◇    ◇

労務管理面では作業日誌の記入項目が多く、毎日提出されていない実態を改善するために内容の簡素化を提案し、提出された日誌をもとに組合長が毎日朝礼を行って意思疎通を図るなど「報連相」体制もできたという。

また、専従者の労災加入と夏場の空調服の購入など労働環境の改善も実現した。

財務面では総務部長を担当している専従者にJAのパソコン教室を受講してもらうとともに、JAがメーカーと独自に開発した経営分析ソフトで経営分析結果を示した。狙いは「粗利意識」を持ってもらうことだという。農産物販売額に対して生産資材コストを意識するという基本的な感覚だが、経営改善には必要だ。

そのほかITの活用では、エクセルで地図情報を入力してクラウド上で管理するZ―GISも導入した。今のところ、農薬と肥料の散布量の計算によって無駄を省くことに役立てるとともに、在庫管理に活用している。

こうした幅広い経営改善提案ができたのも各部署から担当者が加わってチームをつくったことが大きい。そのチームのファシリテーター役が経営支援担当者である「JA農業経営コンサルタント」であり、JAの総合力を発揮する要となる。

原係長は今回の支援では農事組合法人として経営に対する意識改革を重視したという。たとえば、労務管理では専従者の労働環境の改善の必要性や、財務管理ではコスト意識を持ってもらうことなどだ。法人役員のなかでのコミュニケーションの促進を図り、共通した認識を持ってもらうことも心がけた。

こうした取り組みに加えて、原係長は同法人に集落の農業を持続させるため、隣接する集落営農組織との合併も支援している。「労働力を確保して地域農業を発展させるために、自分たちで将来をしっかり考えることが大事」と話す。

JA農業経営コンサルティングの取り組みは支援策の現状を把握、分析し改善を実施するというサイクルを数年にわたって続ける必要がある。

大国主任は「笑顔で経営できるように所得が増える提案や支援をすることが大事。経営体との絆も深くし、JAとの関係も強化していきたい」と話す。

原係長は「意欲を持って経営を発展させていきたいという経営体をしっかり支援する。支援に関われば関わるほど、提案の引き出しが増え、様々な視点での提案もできる。経営支援はすぐに成果が出るものではないかもしれないが、農業者だけでなく、JAの5年後、10年後に必要な取り組みだと確信している」と力を込める。

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