【漁業危機】漁に出たい! 2500人が訴え2013年5月30日
東日本大震災と原発事故の風評被害に加え、昨年末からの円安による燃油高騰で、漁業が危機的な状況に追い込まれているとして、全国から2500人の漁業者が5月29日、「我が国漁業の存続を求める全国漁業代表者集会」を東京都内で開き、緊急対策の実現を訴えた。参加者の胸には「漁に出たい!」のゼッケン。漁業者の痛切な思いを伝えていた。
◆燃油価格、10年間で2倍以上に
主要水産物の消費者物価指数は5年間で5ポイント近く低下し、食品全体の指数よりも大きく下回っている。さらに急激な円安の進行で燃油価格が高騰、集会では全国底びき網漁業連合会の吉岡修一会長は「10年前は40円(1リットルあたり)。それが最近は90円。われわれの努力だけでは漁業を続けるが極めて困難」と訴えた。JF全漁連によると採算ラインは60円程度だという。沿岸イカ釣り漁業のコストに占める燃料費が27%。タクシーは7%、トラックは4%だ。一方、漁価はセリで決まるからコスト増を転嫁できない。
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「漁に出たい」と痛切な思いをゼッケンに集会に臨む漁業者
◆「漁に出ない方がまし」
青森県小いか協会の三國優会長は「まさに漁に出ないほうがまし、といった状況。われわれの願いはただ一つ。漁に出たい」と強調し、宮崎県のかつお一本釣り漁業の渡邊義一さんも「景気浮揚策による恩恵がわれわれにもたらされるまでしばらくかかる。それまでコスト上昇をかかえたままでは漁業は持たない」と緊急支援の実現を求めた。
JF全漁連の服部郁弘代表理事会長は「われわれは景気浮揚政策を否定しているものではない。しかし、円安がもたらした燃油・養殖用飼料の急騰で廃業にまで追い込まれることは許されない」と主催者あいさつで訴えた。アベノミクスという政策が起こした現在の窮状は政策が救済すべきとの立場で燃油価格の購入費への緊急的な補てん策を国に求めていく。
集会では「国は将来にわたって漁業者が安心して操業していくための抜本的対策を講ずる必要があるが、何よりも、今を乗り越えていかなければ将来もない。わが国漁業・養殖業が存続し水産食料の安定供給の責務が果たしていけるよう、円安による燃油価格高騰分の緊急支援等を求める」とする決議を採択し、集会後は国会周辺でデモ行進を行った。
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服部郁弘・JF全漁連代表理事会長
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