輸入米 再調査を否定-山本農相2016年10月25日
山本有三農相は10月25日の定例会見でSBS輸入米の卸業者からの販売価格調査について「行政による民間ビジネスへの過剰な介入になりかねない」として再調査する考えはないことを表明した。
SBS輸入米の販売価格問題は、輸入業者から調整金、販売促進費などの名目の金銭が卸売業者に渡され、それが実需者などへの販売価格引き下げに利用されているのではないかという問題だ。それが事実なら国産米の価格引き下げにつながっている可能性がある。
農水省が10月7日に公表した調査結果では輸入業者の7割で調整金など金銭のやり取りがあったことが確認された。しかし、それが国産米の需給と価格に影響を与えていることを示す「事実は確認できなかった」と結論づけた。
これに対し実需者などへの販売価格を調査したのかという批判が起き、生産現場ではTPPでSBS枠が増えても国産米への影響はないとする国の説明への不信が募った。国会ではTPP協定の承認案と関連法案を審議するうえで重要な問題だとして野党は再調査を要求していた。
また、報道機関の商社への調査結果ではSBS米を扱う理由として「安さ以外にない」、「公表価格で買う実需はいない」などの回答が報道され、さらに具体的な販売価格について「国産米よりも2割安」「4割安」といった相場観であることも示された。(日本農業新聞10月24日)
この報道を受けて24日、民進党は米価格偽装解明チーム(福島伸享座長)会合を開き、農水省担当者からヒアリング、「実態と違う調査報告書を出して、そのうえ(TPP承認案などの)審議を早く打ち切り強行採決するなど国民を欺くとんでもない行為だ」などと強く批判し再調査を求めた。
しかし、25日の定例会見で山本農相は「SBS米、国産米を問わず卸業者からの販売先は小売業者に加え、コンビニ、弁当、レストラン、米加工業者など大変多岐にわたっている」、「販売価格の具体的水準は民間ビジネスの機微に触れる内容。国が届出制により把握している卸業者よりさらに先の取引価格の把握という点に関しては、行政による民間ビジネスへの過剰な介入となりかねない」と話し、再調査する考えがないことを改めて示した。
野党はTPP審議にSBS米の再調査は必要と主張している。
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