畜産・酪農対策で農相に政策を提案ー全中2016年12月13日
JA全中は12月8日の理事会で畜産・酪農対策に関する重点事項を決め、同日、JA全中の奥野長衛会長、飛田稔章畜産・酪農対策委員会酪農委員長らが山本農相にそれをもとに政策提案を行った。
奥野会長は、日本の畜産は肉用子牛の高騰が続くなどの課題を指摘し、生産基盤の強化が急務となっていることなどを指摘した。
飛田委員長はしっかりと酪農経営を担っていくため加工原料乳生産者補給金単価を決める必要があることや、液状乳製品なども補給金の対象になる制度変更もあることから、限度数量も含め今年の決定が大事になると強調した。
また、指定生乳生産者団体制度の見直しも、生産者が安心して消費者にしっかり牛乳・乳製品を届けるシステムとする必要があることなどを要請した。
山本農相は奥野会長らに先に団体と議論の末決めた「農業競争力強化プログラム」に関して「JAグループに内閣としても感謝している」と述べるとともに、畜産・酪農対策についても「経営が継続できるようにともに力をあわせていきたい」などと述べた。
全中の政策提案で加工原料乳生産者補給金単価については、対象に液状乳製品を追加することについて、▽生産現場の実態をふまえた算定方法、▽酪農経営の再生産と将来に向けた投資が可能となる単価水準、を求めている。
また、需要に応じて乳製品が安定的に供給されるように交付対象数量を設定することも求めている。
子牛価格の記録的な高騰が肥育経営に影響し打撃を与えている畜産では、▽肉用子牛生産者補給金は保証基準価格を肉用子牛の再生産が確保できる水準とするとともに、十分な支援を講じること、▽肉用子牛生産者補給金、肉用牛繁殖経営支援事業の見直し、は経営の実情に即した保証基準価格となるよう具体化を早急に進めること、などを求めている。
そのほか、▽「畜産クラスター」に基づく取り組みに対する継続的で十分な支援、▽繁殖雌牛・乳用後継牛の増頭への支援、▽酪農ヘルパーの人材確保への支援、▽搾乳ロボット、パーラーの導入など設備投資への支援なども重点事項としている。
指定生乳生産者団体制度は「制度の機能発揮と強化を基本に、消費者への牛乳・乳製品の安定供給と酪農所得の増大を実現できる仕組みとすること」と、これまでの基本方針を改めて強調している。
山本農相への要請を終えた奥野会長は、交渉が進んでいるとされる日・EUのEPA交渉についても「TPPの二の舞いにならないように慎重に対応を、とお願いした」と話した。
奥野会長は「秘密交渉であり一体中身はどうなっているのか、それに対してきちんとした説明がほしいということ。結果として日本の農業に打撃を与えるという内容では困るということ(を伝えた)」と話した。それに対して山本農相は「われわれとしても慎重に取り扱っていきたい」と話したという。
(写真)右から山本農相、奥野会長、飛田酪農委員長
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