政府備蓄米放出へ 買い戻し条件付で全農など集荷団体へ販売 農水省2025年1月24日
江藤拓農相は1月24日の記者会見で政府備蓄米を全農など集荷団体に買い戻しを条件に売り渡すことができるよう31日の食糧部会に諮問することを明らかにした。

24年産米の相対取引価格は60kg2万3715円となり、1990年以降、過去最高となった。
生産量は前年産より18万t多い679万tだが、集荷競争が激化し全農、全集連などの集荷量は前年より17万t減少し、米価の高騰が続いている。
江藤農相は21日の会見で「生産量は増えているのに市場に出てこない」と指摘し、「決して健全な状態ではない」との考えを示していた。
この日の会見では内閣法制局との協議で買い戻しを条件とすれば食糧法改正しなくても、備蓄米を販売することができると判断し、全農や全集連に同量・同等での買い戻しを条件に販売することを可能とすることを盛り込んだ「基本指針」を31日の食糧部会に諮問することを明らかにした。
江藤農相は「せっかく米価が上がって生産コストをまかない将来に明るい兆しが出てきたのに国が在庫を出すのかと(生産者に)反発はあるかも知れない」としつつ、高い米価で米離れが起きる懸念もあるなど、安定供給も農水省の責務だと強調、「私自身迷いがある」と話した。
食糧部会が諮問どおり答申すれば、政府備蓄米を全農など集荷団体に一定の時期に買い戻すことを条件に販売することができる。
江藤農相は「備蓄米を出すと決めたわけではない。健全な状態ではないものを正常な状況に戻せるような手立ての準備だけはしっかりやっておかなければならない」と話した。
政府は24年産米で17万tを買い入れている。活用するとなるとこの17万tが対象となる見込み。農水省によると「すぐに発動するかは別途検討することになる」と話している。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(173)食料・農業・農村基本計画(15)目標等の設定の考え方2025年12月20日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(90)クロロニトリル【防除学習帖】第329回2025年12月20日 -
農薬の正しい使い方(63)除草剤の生理的選択性【今さら聞けない営農情報】第329回2025年12月20日 -
スーパーの米価 前週から10円上がり5kg4331円に 2週ぶりに価格上昇2025年12月19日 -
ナガエツルノゲイトウ防除、ドローンで鳥獣害対策 2025年農業技術10大ニュース(トピック1~5) 農水省2025年12月19日 -
ぶどう新品種「サニーハート」、海水から肥料原料を確保 2025年農業技術10大ニュース(トピック6~10) 農水省2025年12月19日 -
埼玉県幸手市とJA埼玉みずほ、JA全農が地域農業振興で協定締結2025年12月19日 -
国内最大級の園芸施設を設置 埼玉・幸手市で新規就農研修 全農2025年12月19日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】「経済関係に戦略性を持ち込むことなかれ」2025年12月19日 -
【農協時論】感性豊かに―知識プラス知恵 農的生活復権を 大日本報徳社社長 鷲山恭彦氏2025年12月19日 -
(466)なぜ多くのローカル・フードはローカリティ止まりなのか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月19日 -
福岡県産ブランドキウイフルーツ「博多甘熟娘」フェア 19日から開催 JA全農2025年12月19日 -
α世代の半数以上が農業を体験 農業は「社会の役に立つ」 JA共済連が調査結果公表2025年12月19日 -
「農・食の魅力を伝える」JAインスタコンテスト グランプリは、JAなごやとJA帯広大正2025年12月19日 -
農薬出荷数量は0.6%増、農薬出荷金額は5.5%増 2025年農薬年度出荷実績 クロップライフジャパン2025年12月19日 -
国内最多収品種「北陸193号」の収量性をさらに高めた次世代イネ系統を開発 国際農研2025年12月19日 -
酪農副産物の新たな可能性を探る「蒜山地域酪農拠点再構築コンソーシアム」設立2025年12月19日 -
有機農業セミナー第3弾「いま注目の菌根菌とその仲間たち」開催 農文協2025年12月19日 -
東京の多彩な食の魅力発信 東京都公式サイト「GO TOKYO Gourmet」公開2025年12月19日 -
岩手県滝沢市に「マルチハイブリッドシステム」世界で初めて導入 やまびこ2025年12月19日


































