11月の野菜生育状況と価格見通し ばれいしょ、たまねぎなど平年を上回る見込み 農水省2025年11月4日
農林水産省は10月31日、東京都中央卸売市場に出荷される11月の野菜の生育状況と価格見通しを主産地等から聞き取り、結果を公表した。11月は、ばれいしょ、たまねぎ等の価格は平年を上回って推移すると見込まれる一方、キャベツ、レタスの価格は平年を下回って推移する見込み。
<主要野菜の生育、出荷および価格見通し>
◎だいこん
北海道産・青森県産の出荷が減少し、千葉県産・神奈川県産中心の出荷へと切り替わる。
北海道産・青森県産は11月上旬に出荷が終了する見込み。千葉県産・神奈川県産の生育は順調であり、11月中下旬から増量する見込み。
全体として、11月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。
◎にんじん
北海道産中心の出荷から、千葉県産中心の出荷へと切り替わる。
北海道産は11月上旬に出荷が終了する見込み。青森県産は夏季の高温、干ばつの影響により細物傾向。千葉県産は9月の降雨と10月の日照不足の影響により生育が若干遅れている。
全体として、11月の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回って推移する見込み。
◎はくさい
長野県産の出荷が減少し、茨城県産中心の出荷へと切り替わる。
長野県産は11月上中旬にまとまった数量の出荷は終了する見込み。茨城県産の生育は順調であり、11月中旬以降増量する見込み。前段・後段産地の出荷が重なるため、11月の出荷数量は平年並みからやや平年を上回り、価格は平年並みで推移する見込み。
◎キャベツ
群馬県産の出荷が減少し、千葉県産・茨城県産・愛知県産中心の出荷へと切り替わる。
群馬県産は11月上旬に出荷が終了する見込み。千葉県産・茨城県産の生育は順調で、11月上中旬に増量する見込み。愛知県産は夏季の高温の影響により若干生育が遅れているものの、9月以降の生育は順調であり12月にかけて増量する見込み。
全体として、11月の出荷数量はやや平年を上回り、価格は平年を下回って推移する見込み。
◎ほうれんそう
主産地で生育は概ね順調。11月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。
◎ねぎ
北海道産・秋田県産・青森県産の出荷が減少し、茨城県産の出荷が増加する。
北海道産の生育は順調。秋田県産・青森県産は夏季の高温・干ばつの影響により細物傾向がみられ、出荷数量は平年を下回って推移する見込み。茨城県産も8月までの高温の影響により細物傾向がみられる。
11月の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回って推移する見込み。
◎レタス
長野県産の出荷が減少し、茨城県産中心の出荷へ切り替わる。
茨城県産は適度な降雨と気温の上昇により生育は順調で、11月中旬まで出荷のピークを見込んでいる。後段産地の静岡県産・兵庫県産の生育も順調であるため、11月の出荷数量はやや平年を上回り、価格は平年を下回って推移する見込み。
◎きゅうり
埼玉県産・群馬県産に加え、宮崎県産が増加する。
主産地で、生育初期の高温、10月下旬の急な気温低下の影響により生育不良等がみられるが、大幅な出荷数量の減少は見込まれず、11月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。
◎なす
群馬県産・茨城県産の出荷が減少し、高知県産・福岡県産中心の出荷へと切り替わる。
主産地の生育は概ね順調。11月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。
◎トマト
熊本県産は8月の豪雨の影響による定植遅れ等がみられ、11月前半の出荷数量は少なくなる見込み。愛知県産・栃木県産の生育は概ね順調。
全体として、11月の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回って推移する見込み。
◎ピーマン
茨城県産は10月中旬以降の曇天、急な気温低下の影響により生育不良等がみられ、11月前半の出荷数量はやや少なくなる見込み。宮崎県産は生育初期の高温の影響により生育不良がみられているが、大幅な出荷数量の減少は見込まれない。
全体として、11月前半の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回って推移し、11月後半の出荷数量・価格は平年で推移する見込み。
◎ばれいしょ
主産地で、夏季の高温、干ばつの影響により小玉傾向。春先までの供給を確保するために計画的に出荷を行っていることから、11月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。
◎さといも
主産地で生育は概ね順調。11月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。
◎たまねぎ
主産地で夏季の高温、干ばつの影響により小玉傾向。春先までの供給を確保するために計画的に出荷を行っていることから、11月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。
◎ブロッコリー
埼玉県産に加え、熊本県産・長崎県産・香川県産・愛知県産が増量する。
埼玉県産は夜温の低下と日照不足の影響により生育が鈍い。熊本県産は8月の大雨の影響により定植遅れ、初期生育不良がみられる。長崎県産・香川県産・愛知県産の生育は概ね順調。
全体として、11月前半の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回って推移。11月後半の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(173)食料・農業・農村基本計画(15)目標等の設定の考え方2025年12月20日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(90)クロロニトリル【防除学習帖】第329回2025年12月20日 -
農薬の正しい使い方(63)除草剤の生理的選択性【今さら聞けない営農情報】第329回2025年12月20日 -
スーパーの米価 前週から10円上がり5kg4331円に 2週ぶりに価格上昇2025年12月19日 -
ナガエツルノゲイトウ防除、ドローンで鳥獣害対策 2025年農業技術10大ニュース(トピック1~5) 農水省2025年12月19日 -
ぶどう新品種「サニーハート」、海水から肥料原料を確保 2025年農業技術10大ニュース(トピック6~10) 農水省2025年12月19日 -
埼玉県幸手市とJA埼玉みずほ、JA全農が地域農業振興で協定締結2025年12月19日 -
国内最大級の園芸施設を設置 埼玉・幸手市で新規就農研修 全農2025年12月19日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】「経済関係に戦略性を持ち込むことなかれ」2025年12月19日 -
【農協時論】感性豊かに―知識プラス知恵 農的生活復権を 大日本報徳社社長 鷲山恭彦氏2025年12月19日 -
(466)なぜ多くのローカル・フードはローカリティ止まりなのか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月19日 -
福岡県産ブランドキウイフルーツ「博多甘熟娘」フェア 19日から開催 JA全農2025年12月19日 -
α世代の半数以上が農業を体験 農業は「社会の役に立つ」 JA共済連が調査結果公表2025年12月19日 -
「農・食の魅力を伝える」JAインスタコンテスト グランプリは、JAなごやとJA帯広大正2025年12月19日 -
農薬出荷数量は0.6%増、農薬出荷金額は5.5%増 2025年農薬年度出荷実績 クロップライフジャパン2025年12月19日 -
国内最多収品種「北陸193号」の収量性をさらに高めた次世代イネ系統を開発 国際農研2025年12月19日 -
酪農副産物の新たな可能性を探る「蒜山地域酪農拠点再構築コンソーシアム」設立2025年12月19日 -
有機農業セミナー第3弾「いま注目の菌根菌とその仲間たち」開催 農文協2025年12月19日 -
東京の多彩な食の魅力発信 東京都公式サイト「GO TOKYO Gourmet」公開2025年12月19日 -
岩手県滝沢市に「マルチハイブリッドシステム」世界で初めて導入 やまびこ2025年12月19日


































