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農政:自給率38% どうするのか?この国のかたち -食料安全保障と農業協同組合の役割

【対談】国民のための農業・食料 今、農協が存在感示せ(2)【村上光雄・JA三次元組合長、鈴木宣弘・東京大学教授】2018年10月24日

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◆疲弊する農村

村上光雄・JA三次元代表理事組合長(広島県) 村上 輸入がどんどん増えているなかで、それに立ち向かいこれからも食料生産を増やしていくための担い手が確保され農村全体として生産を増やせる状況にあるかといえば、はっきり言ってわが広島県の中山間地域は非常に厳しい。耕作する人は高齢化し、担い手はいない。一方では鳥獣被害で耕作放棄地が増え、耕作地は山間部から平野部へとどんどん撤退しています。そして農家の空き家も年々確実に増加しており、まさに農村地域の崩壊、消滅の寸前の状況になっています。

(写真)村上光雄・JA三次元組合長

 

 鈴木 水田は米の流通自由化、政府による価格・所得の下支えがなくされ、米価は過去の半値まで下落し、耕作放棄が増え、洪水防止機能が失われ、水害にもつながっています。これは政策による人災の側面も強いと思います。

 

 村上 西日本豪雨は広島市周辺の住宅地で土砂崩れなど大きな被害が出ましたが、当然、私たちの地域でも50年前の大水害を上回る洪水となりいまだに土砂や倒木が流れ込んだままの水田があちこちに見られます。実際に私たちの集落でも用水路が土砂に埋まってしまい、みんなで復旧作業をしました。出たきた話は次の災害の時は果たして復旧作業ができるだろうかということで、これまで先祖の人たちが災害の度に復旧作業をして守ってきた農地が守れなくなってきているのです。
 そして何よりも私たちがいちばん恐れていた災害を契機に、今のような米価と安倍農政のもとでは、もはや災害復旧をあきらめ、米づくり農業も止めるという農家が現実にでてきているということです。

 

 鈴木 農政を変えることと同時に、農協が最後の砦としてどこまで現場を守れるかはいちばん問われます。
 今の政策は共助システムや共同体的なものを既得権益だ、岩盤規制だなどと排除し、一部の巨大企業が儲けられるところだけやればいいではないかという政策です。国民の食料をどう確保するか、地域の発展をどう支えるか、あるいは国民が支えあって生きていこうという思いなどはどうでもいい、という流れになってきています。それに対して農協運動をどう展開していくかが問われていると思います。

 
 
◆農業像 集落から対抗軸
 
 村上 たとえば、大規模な一部の農家だけが単作で農業をするような姿ではなく、多様な農家が集落に住み、そこで助け合っているという方向に進めていかなければなりません。農政をそうした方向に明確に転換しなければならないと思います。
 そのためには農協が考えていることをはっきりと打ち出すべきだと思います。政府はこういう政策を進めようとしているが、われわれはこうだ、という対抗軸を明らかにするようにする。国は競争力の強化だといってアメリカ型の農業をめざす政策を進めているが、われわれはヨーロッパ型の環境を重視した多様な農業の形態を認めていくかたちをめざしていくんだ、ということをはっきりと打ち出す。いろいろな局面で、われわれはこう考える、ということを打ち出さなければなりません。

 

 鈴木 その点では今は独自の対案の提示が不十分なまま政策に追従していっているようなイメージもあります。政策の体系や農村のあり方などを農協として構想し提示していくことが求められていると私も思います。

 

 村上 そのときに、国益、あるいは国を守っていくという観点からも、今の食料自給率は危機的な水準で食料安全保障の確立が重要だということを訴え、われわれとしてやるべきことを示していくべきだと思います。

 

 鈴木 それは政府に対してだけではなくて国民全体に浸透するように広げていく必要があります。

 

 村上 来年は食料・農業・農村基本計画の見直しの議論が始まりますが、これは絶好のチャンスです。国民の理解を得てわれわれの考え方と自給率を高めていく取り組みをする方向を盛り込むようにしなければなりません。

 

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