デジタルプラットフォーム軸に日本農業の課題克服に貢献 BASFジャパン2020年7月13日
BASFジャパン(株)は、人工知能(AI)利用型栽培管理最適化デジタルプラットフォーム「ザルビオフィールドマネージャー」を、JA全農が提供する営農管理システム「Z-GIS」と連携して来年4月から日本における展開を始める。これに伴い、今回の協業の背景や今後の日本における事業戦略を、同社のスバーシュ・マーカド執行役員アグロソリューション事業部長などが語った。
野田部長(左)とマーカド事業部長
今回のJA全農との協業については、「長期にわたり強固なパートナーシップを構築してきた」(マーカド事業部長)ことが背景にあるとし、全農は日本における最大のパートナーで、全農の持つ世界最大のインフラや広大なほ場にアクセスできる点が、ザルビオフィールドマネジャーを普及させていくうえでも不可欠だと説明した。
他社との協業についても、顧客に最大価値を提供するためにはパートナーシップが重要な要素であると位置付ける。
日本は今後、農業者の高齢化や後継者問題で重要な局面を迎えるとし、「それらの課題を解決するためにも、ザルビオフィールドマネージャーをはじめとする同社のデジタルソリューションが有効だ」(マーカド事業部長)と強調した。
ザルビオフォールドマネージャーを開発したBASFデジタルファーミング社については、2017年に設立し18年にBASFグループ入りした農業用デジタルプラットフォーム分野特化型企業だと説明。
毎年7000万ユーロを投資し、フィールドマネージャーに先行して提供を開始した病害診断デジタルシステム「ザルビオスカウティング」、今年度から独仏でサービスを始めた成果保証型のほ場管理請負サービス「ザルビオヘルシーフィールド」がある。
スカウティングは120か国で200万人が利用し、フィールドマネージャーも3万6000人の農家が活用し、ほ場面積は300万haにおよぶ。
フィールドマネージャーの日本における展開は来年4月からまず水稲・大豆で開始し、「普及およびJA全農との協議を進めながら、多くの作物への展開を図っていく」(野田信介アグロソリューション事業部マーケティング部部長)方針だ。
「フィールドマネジャー」はJA全農のZ-GISと連携して提供する。そのほかすでに無料アプリケーションとして提供開始している「スカウティング」もラインアップに加えたい考え。
同社では、デジタルプラットフォームの普及を「グループの中核事業」(マーカド事業部長)と位置付け、データポイントの拡張でマーケティング強化にもつなげたいとする。さらに、デジタル化普及によるオペレーションの向上、R&D(研究開発)への反映などを通じ、生産者の要望に応えていく姿勢も改めて強調した。
同社の主力である農薬事業についても持続的発展を目指す観点から、センシング技術やマシン、アプリなどと一体化したプラットフォーム構築を図り、それによる差別化を訴えていくとした。
新型コロナウイルスによる事業への影響は、「当然ある。当社の製品にも一時問題が発生したが今は解決している。しかし、食料需要が減少するといったことではない。長期的には食料の需要は戻る」(マーカド事業部長)と説明。
グローバルな視点でのアフターコロナビジネスにも言及し、「ほかの産業に比べれば影響は小さいが、バリューチェーンでの影響は避けられない。諸課題にデジタルサービスで貢献し、当社プラットフォームで難局を乗り切れるようにしていきたたい」(マーカド事業部長)。プラットフォームを通じ、生産者が多様なアドバイスを受けられるようにし、オープンな形で生産者の利益に貢献していきたいとしている。
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