相乗効果で極めて高い殺虫力 生物研が解明2014年5月26日
(独)農業生物資源研究所(生物研)は、キウイフルーツなどに含まれるシュウ酸カルシウム針状結晶と、タンパク質分解酵素(プロアテーゼ)の相乗効果により、極めて強い殺虫効果が発揮されることを明らかにした。新たな品種育成や殺虫技術の開発に役立つと期待される。
シュウ酸カルシウム針状結晶は、キウイフルーツ、パイナップル、サトイモ、ヤマノイモ、ブドウ、アロエ、ホウセンカなど多くの作物に含まれいて、害虫による食害を防ぐ効果があると考えられてきたが、詳しいメカニズムは解明されていなかった。
また、キウイフルーツやパイナップルなど耐虫性の強い植物は、高い耐虫効果を持つ酵素・システインプロアテーゼを高濃度で含んでいる。
今回の研究では、このシュウ酸カルシウム針状結晶が、害虫の組織や細胞に穴をあけることで、システインプロアテーゼの侵入を助け、その殺虫効果を著しく増強させるとの相乗効果を明らかにした。
生物研では、シュウ酸カルシウム針状結晶は非常に多くの植物が持っているため、それらの植物でシステインプロアテーゼの発現量が多い系統を選抜することで耐虫性の高い品種を育成することや、作物の被害を防ぐ新たな技術の開発につながると、研究成果のさらなる発展に期待している。
(写真)
キウイフルーツ果実から精製したシュウ酸カルシウム針状結晶の電子顕微鏡写真(生物研発表資料より)
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