イチゴの個別包装容器を開発 流通ロスを軽減2013年3月25日
農研機構生研センターはイチゴの流通ロスを軽減させる個別包装容器を開発した。
イチゴは傷みやすく長距離輸送が難しい。もっとも流通量が多くなる冬春期(12?2月)で5?10%、3月以降の旬の時期では10?15%ほどの流通ロスが発生するといわれている。
農研機構では、こうした流通ロスを軽減させようと、平成21年度から宇都宮大学がすすめていた研究に参画。今回、「実用化の見通しが立った」として発表した。
容器は一般的な2枚貝のような形で、その一部でイチゴの柄の部分を止める。容器の中ではイチゴが浮いた状態となり、イチゴの表面は容器内のどこにも接触しないため、損傷を防ぐことができる。
開発したのは、25g用と40g用の2種類。40g用を従来のイチゴ出荷用ダンボールに収めて静岡の産地から埼玉県へ輸送したところ、果実の損傷なしが88%、軽度の損傷が12%と慣行パックに比べて損傷が少なかった。25g用では、愛媛から関西市場へ向けて販売試験を行い、輸送による損傷なしが99%という結果が出た。
個別包装容器はイチゴの水分蒸散を抑制できるため、慣行パックに比べて鮮度保持期間を大幅に延長する効果もある。5℃で貯蔵し収穫10日後の質量減少率を調べたところ、慣行パックでは3.2?15.7%減っていたのに対し、個別包装容器は最大でも3%しか減っていなかった。
また、収穫と同時に容器に収容できることや、容器が自立式のため店頭でそのまま陳列できる、などの特長もある。
農研機構では、「これまで輸送が難しいとされていた大粒イチゴや柔らかいイチゴの流通に貢献できる」と期待しており、生産現場、流通、消費、容器製造メーカーなどと連携し25年度内の実用化をめざしている。
(写真)
個別包装容器の使用例。(左)ほ場で収穫してそのまま収容できる。(右)自立式なのでそのまま陳列できる。
(関連記事)
・高校生が食と農で被災地支援 JA全中「みんなのよい食プロジェクト」(2013.01.30)
・JAみやぎ亘理などの活動を「絆」づくりの優良事例に選定 農水省(2012.04.16)
・被災農家が新天地でイチゴ栽培 JA伊達市でのその後...(2011.11.25)
・特産イチゴで化粧品を開発 JA福岡市(2011.11.02)
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】ハスモンヨトウが多発 ダイズは初期防除を 三重県2025年8月21日
-
政府備蓄米 在庫水準29.5万tに 農水省2025年8月21日
-
「米の需要に応じた増産」柱に概算要求 農水省2025年8月21日
-
令和7年産の石川県オリジナルなし「加賀しずく」 8月25、26日に初出荷・初競り JA全農いしかわ2025年8月21日
-
8月21日は「みんなで食べよう力うどんの日」そば・うどん店舗でキャンペーン実施 JA全農2025年8月21日
-
だだちゃ豆収穫最盛期 大泉枝豆直売グループ JA鶴岡2025年8月21日
-
夏秋野菜トップセールス開催 熊本市で地元産野菜をPR JAかみましき2025年8月21日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」山形県「おいしさ直売所 落合店」でお買い物 JAタウン2025年8月21日
-
約6500 万人が3年以上の「防災訓練休眠人口」と推計 JA共済連「防災に関する意識調査」2025年8月21日
-
「モーっとおおいた和牛・豊後牛を食べよう!キャンペーン」大分県産和牛が大特価 JAタウン2025年8月21日
-
TICAD9の歓迎レセプションに公式マスコット「トゥンクトゥンク」登場 「ミャクミャク」とも初対面 国際園芸博覧会協会2025年8月21日
-
【2025国際協同組合年】子ども・若者と協同組合を考えるシンポジウム 10月10日開催2025年8月21日
-
輪作体系の作業計画をシミュレーション プログラムを開発 農研機構2025年8月21日
-
廃棄漁具を新たな製品へ再生 amu株式会社へ出資 あぐラボ2025年8月21日
-
桃とシャインマスカットを一度に 8月のショートケーキ登場 カフェコムサ2025年8月21日
-
静岡県「林業合同就職相談会」開催 林業機械シミュレータが初登場2025年8月21日
-
青山学院大学陸上競技部とパートナー契約を締結 村上農園2025年8月21日
-
91社が集結「おいしい山形・食材王国みやぎビジネス商談会」開催2025年8月21日
-
農業ボランティア「第1回香取市援農Day」参加者募集 千葉県香取市2025年8月21日
-
捨てずに繕う心の豊かさ 情報誌『のんびる』9・10月号受注開始 パルシステム2025年8月21日