売上高は5.1%増の86億1600万円に 東洋ライス2018年6月1日
・第57期決算報告
無洗米を世に初めて送り出し、また今は人気ブランド米「金芽米」で知られる米穀メーカー、東洋ライス(雜賀慶二社長)は5月31日、第57期(2018年3月期)決算報告を東京・中央区の同社本社内で行った。
雜賀社長のあいさつ後、阪本哲生副社長から決算と事業内容の報告が行われた。18年3月期の売上高は前年度比5.1%増の86億1600万円となったが、営業利益の減少と期末時の円高による為替差損が大きく影響したため、経常利益は4億9300万円(34.1%)減の9億5400万円、税引前当期利益は4億8300万円(33.6%)減の9億2400万円となった。
各事業部門の概況では、BG無洗米加工事業では、同米の合計加工数量は45万7000tで、前年度の46万3000tからは減少した。堅調だったBG製造企業全体が、今年度は数社の米穀企業が生産量を大幅に減らしたことが大きく影響した。
コメ事業では、近年の健康志向の高まりと積極かつ継続したPR効果が功を奏し、すべての販売チャネルで販売増、金芽米は1300tの増加、ロウカット玄米は前年比40%増の1700tとなった。
(写真)雜賀社長
精米機器事業では、大手卸の精米機や小口フルラインなどで他社製から同社製への入れ替えが相次ぎ、導入業者への作業効率向上に貢献、好調な業績を示した。また全国各地でコメの新品種開発や市場投入が進む中で、新たにJA関係3件などに「味度メーター」を導入した。
(写真)会場の様子
事業内容の報告では、金芽米とロウカット玄米を中心に説明があり、特に昨年、有名テレビ番組で同社の特集が組まれ、その反響の大きさも手伝い、両米の販売量は大きく伸びた。
金芽米は特に通信販売で顕著な伸長で、販売量は60%増。特にアマゾンの伸びが目立った。また生協でも販売量は16%増で関西での伸びが特に大きかった。ロウカット玄米の販売量は前年比40%増。いままで取引のなかったホームセンターなど着実に販売網を増やした結果が実った格好だ。
海外展開も積極的に行い、販路を前年度の11か国から13か国へと拡大。特にシンガポールでは同国政府の健康推奨認証マークを取得。その結果、同国での販売は同社単体で前年度比でコメが60%増、包装米飯で25%増加した。
その他の動きでは、昨年はJAしまね、JA大井川、JA鳥取いなばとの間で、健康長寿と農業活性化を目的とした「包括連携協定」を締結。さらにJA全農長野と協働して、新品種の「風さやか」のシンガポール市場への輸出強化を図るなど、今後ともJAとの協力関係を強化していくとした。
(写真)阪本副社長
(関連記事)
・JA鳥取いなばが東洋ライス(株)と包括連携協定締結(18.04.23)
・「世界最高米」事業をスタート 東洋ライス(18.01.29)
・雜賀 慶二 氏(東洋ライス株式会社 代表取締役社長)(18.01.03)
・ANAファーストクラス機内食で金芽米を提供 東洋ライス(17.11.24)
・米消費拡大と健康増進で包括連携協定を締結 JAおおいがわ・東洋ライス(17.11.10)
・「金芽ロウカット玄米」に認知症予防の可能性 名古屋経済大学(17.09.26)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(171)食料・農業・農村基本計画(13)輸出国から我が国への輸送の状況2025年12月6日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(88)ジチオカーバメート(求電子剤)【防除学習帖】第327回2025年12月6日 -
農薬の正しい使い方(61)変温動物の防除法と上手な農薬の使い方【今さら聞けない営農情報】第327回2025年12月6日 -
スーパーの米価 前週から23円上昇し5kg4335円 過去最高値を更新2025年12月5日 -
支え合い「協同の道」拓く JA愛知東組合長 海野文貴氏(2) 【未来視座 JAトップインタビュー】2025年12月5日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】『タコ市理論』は経済政策使命の決定的違反行為だ 積極財政で弱者犠牲に2025年12月5日 -
食を日本の稼ぎの柱に 農水省が戦略本部を設置2025年12月5日 -
JAの販売品販売高7.7%増加 2024年度総合JA決算概況2025年12月5日 -
ポテトチップからも残留農薬 輸入米に続き検出 国会で追及2025年12月5日 -
生産者補給金 再生産と将来投資が可能な単価水準を JAグループ畜酪要請2025年12月5日 -
第3回「食料・農林水産分野におけるGX加速化研究会」開催 農水省2025年12月5日 -
新感覚&新食感スイーツ「長崎カステリーヌ」農水省「FOODSHIFTセレクション」でW入賞2025年12月5日 -
(464)「ローカル」・「ローカリティ」・「テロワール」【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月5日 -
【スマート農業の風】(20)スマート農業を活用したJAのデジタル管理2025年12月5日 -
「もっともっとノウフク2025」応援フェア 農福連携食材を日替わりで提供 JA共済連2025年12月5日 -
若手職員が"将来のあるべき姿"を検討、経営層と意見交換 JA共済連2025年12月5日 -
IT資産の処分業務支援サービス「CIRCULIT」開始 JA三井リースアセット2025年12月5日 -
「KSAS Marketplace」に人材インフラ企業「YUIME」の特定技能人材派遣サービスのコンテンツを掲載 クボタ2025年12月5日 -
剪定界の第一人者マルコ・シモニット氏が来日「第5回JVAシンポジウム特別講演」開催2025年12月5日 -
野菜との出会いや季節の移ろいを楽しむ「食生活に寄り添うアプリ」リリース 坂ノ途中2025年12月5日


































