社員が米づくり 海外店舗へ輸出 プレナス2025年2月27日
2月26日に開かれた米産業活性化のための意見交換では持ち帰り弁当の「ほっともっと」や定食レストランの「やよい軒」を展開している(株)プレナスが自社の事業を紹介した。

社員が米づくり 海外店舗へ輸出 プレナス
「ほっともっと」は全国2427店、「やよい軒」は国内359店と海外に248店を展開している。
米の年間使用量は4万tで長野県、富山県、岩手県をはじめ20県以上の産地から卸売業者を通じて仕入れている。産地との契約栽培は行っていないという。
全国4か所(北海道、埼玉県、大阪府、福岡県)に精米工場(うち2か所は自社工場)を持ち、東洋ライスの「金芽米」として各店舗へ配送しガス釜で炊飯している。無洗米のため水質汚濁の抑制にもつながっている。
独自にブレンドし持ち帰り弁当向け、定食レストラン向けではブレンドを変えているという。
2021年から農場で米生産を始めた。埼玉県、山形県、大分県の3か所でそれぞれ20ha前後で乾田直は栽培、湛水直は栽培を行っている。同社の社員が異動で担当となり、現在は10名のスタッフが現場で米づくりに携わっている。
ドローンや遠隔水位管理システム、ザルビオフィールドマネジャーなどスマート農業を積極的に導入している。
自社農場で生産した年間約120tの米はオーストラリアとシンガポールの「やよい軒」に向けに輸出している。オーストラリアでは一部の店舗で精米販売も行っている。
そのほか自社農場を活用して社員の家族向けの稲作体験や、農場周辺に住む子どもたち向けのスマート農業見学会、こども食堂への米の寄付活動にも力を入れている。
自社農場の栽培面積は地域の高齢農家からの依頼に応じて拡大してきた。
農作業にまったく無縁だった社員が人事異動で農場勤務となるが、「最近は社内のなかで米づくり部署に行きたいという声が多くなっている」と担当者は話す。また、入社希望者のなかにも同社の米づくりについて興味を示す若者が増えているという。
「やよい軒」はごはんのおかわりが無料。米価格が高騰しているが、「おかわり自由を今後どうするのかは、議論すらされていない」と話した。
自社農場に課題については担当者が技術を身に着けて向上させることがもっとも重要だと強調した。
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