JA営農指導実践全国大会 優秀事例を共有 産地振興、技術普及の底上げへ2024年3月1日
JA全中は2月16日、第8回JA営農指導実践全国大会を東京都内で開いた。大会には全国8地区から代表として推薦されたJAの営農指導員8人が事例を発表、審査の結果、最優秀賞にJAわかやま南部営農センターの楫本智司さんが選ばれた。大会は、とくに優れた産地振興や技術普及等に取り組んだ営農指導業務を担当する職員を表彰し、その取り組みを広く紹介し共有することによって各JAでの営農指導員のレベル向上とネットワークを構築することを目的に開いている。(一部既報)

大会には会場に170人が参加したほか、オンライン中継で150人が視聴した。
JA全中の山野徹会長は基本法の改正や地域での世代交代など農業、農政は「大きな転換期を迎えている」と指摘。その状況のなかでJAグループは次世代総点検運動で次の担い手の育成に取り組んでおり、「その最前線でがんばっているのが営農指導の職員。創意工夫ある取り組みを全国各地に期待したい」と激励した。ここでは情勢報告と各事例発表の概要を紹介する。
〇大会趣旨
役割発揮へ
JA全中常務 藤間 則和氏

JAグループは2021年10月の第29回JA全国大会で「持続可能な農業の実現」「豊かでくらしやすい地域共生社会の実現」「協同組合としての役割発揮」を次の10年で「めざす姿」として決議した。
その具現化に向けて「多様な農業者による地域農業の振興」「マーケットインにもとづく販売強化」「持続可能な経営基盤の確立・強化」などJAグループが共通かつ優先して取り組む六つの分野を決議し取り組みを進めている。
営農・経済事業では三つを重点事項としており、一つ目が「次世代総点検運動」で現在の担い手の状況を把握し、確保すべき将来の組合員数など目標を設定し、事業承継、新規就農者の育成などに取り組んでいる。
二つ目は「JA営農・経済部門職員の人材育成」、三つ目は「担い手サポートセンター機能の発揮」で「出向く活動」「総合事業提案」「農業経営支援」を強化し、事業間連携の責任部署や責任者(JA総合事業マネージャー)を明確化し体制を整備するとしている。
人材育成では営農指導員に求められる能力を「営農企画」「農業経営」「営農技術」の3分野に大別し、全中では基礎となる「営農指導員」、上位資格であり産地振興など全体戦略の企画検討を行う中核的職員の「地域営農マネージャー」、そして農業経営を総合的に支援する専門家である「JA農業経営コンサルタント」を認証している。
この大会も人材育成の体系的な取り組みの一環で優れた産地振興や技術普及に取り組んだJA職員を表彰し広く共有することで、営農指導の向上とネットワーク構築を目的としている。多くの事例を確認し今後の営農指導に役立ててほしい。
【第8回(2024)営農指導実践全国大会リンク】
JA営農指導実践全国大会 優秀事例を共有 産地振興、技術普及の底上げへ
【最優秀賞】「わかやま布引だいこん」を日本一の産地へ JAわかやま南部営農センター 楫本智司氏【JA営農指導実践全国大会】
【審査員特別賞】めざそう! アスパラ主導で離島農業日本一へ 長崎県JA壱岐市農産園芸課 松嶋新氏【JA営農指導実践全国大会】
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(174)食料・農業・農村基本計画(16)食料自給率その他の食料安全保障の確保に関する目標2025年12月27日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(91)ビスグアニジン【防除学習帖】第330回2025年12月27日 -
農薬の正しい使い方(64)生化学的選択性【今さら聞けない営農情報】第330回2025年12月27日 -
世界が認めたイタリア料理【イタリア通信】2025年12月27日 -
【特殊報】キュウリ黒点根腐病 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【特殊報】ウメ、モモ、スモモにモモヒメヨコバイ 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【注意報】トマト黄化葉巻病 冬春トマト栽培地域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
【注意報】イチゴにハダニ類 県内全域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
バイオマス発電使った大型植物工場行き詰まり 株式会社サラが民事再生 膨れるコスト、資金調達に課題2025年12月26日 -
農業予算250億円増 2兆2956億円 構造転換予算は倍増2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(1)2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(2)2025年12月26日 -
米卸「鳥取県食」に特別清算命令 競争激化に米価が追い打ち 負債6.5億円2025年12月26日 -
(467)戦略:テロワール化が全てではない...【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月26日 -
【スマート農業の風】(21)スマート農業を家族経営に生かす2025年12月26日 -
JAなめがたしおさい・バイウィルと連携協定を締結 JA三井リース2025年12月26日 -
「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業」採択 高野冷凍・工場の省エネ対策を支援 JA三井リース2025年12月26日 -
日本の農畜水産物を世界へ 投資先の輸出企業を紹介 アグリビジネス投資育成2025年12月26日 -
石垣島で「生産」と「消費」から窒素負荷を見える化 国際農研×農研機構2025年12月26日 -
【幹部人事および関係会社人事】井関農機(1月1日付)2025年12月26日


































