【優秀賞】JAとぴあ浜松・JAしまね出雲地区本部・JA高知県【JA営農指導実践全国大会】2024年3月1日
JA全中は2月16日、第8回JA営農指導実践全国大会を東京都内で開いた。大会には全国8地区から代表として推薦されたJAの営農指導員8人が事例を発表、審査の結果、最優秀賞にJAわかやま南部営農センターの楫本智司さんが選ばれた。大会は、とくに優れた産地振興や技術普及等に取り組んだ営農指導業務を担当する職員を表彰し、その取り組みを広く紹介し共有することによって各JAでの営農指導員のレベル向上とネットワークを構築することを目的に開いている。(一部既報)
【優秀賞】新規作目「葉ニラ」の経営モデル確立
年間8~9回転で成果
静岡県JAとぴあ浜松東・中央営農センター 阿久津浩樹氏
親の高齢化などで離農を検討していたセルリー生産者に葉ニラの栽培を提案した。理由は周年栽培ができ、中部地方ではライバル産地がないことなどだった。
他産地の情報をもとに、栽培方法を検討し、作型の作成などを行い、冬品種と夏品種を組み合わせ一つのほ場で年間最大8~9回収穫する体系をめざす。
作業性を評価すると、ほ場管理や出荷作業で2~3人が必要だが、調製・袋詰め作業は1点当たり単価で依頼する内職を活用すれば必ずしもパートを雇う必要がないことが分かった。
販売実績を積み上げて検証すると、ほ場面積15aを8~9回転し、出荷数量は10a当たり他産地の2倍となる2000ケースとなることが分かった。人件費を抑えることから所得率は40%と見込まれ、50束60円で年間所得は240万円と試算された。年間50a以上出荷で1000万円を見込むことができる。生産者は家族2人のほか内職を10人程度確保し、60aで本格栽培しており、再び農業へのやる気を興している。
葉ニラは同地域で周年品目の一つになり得るため、今後、10a収向上や生産者数の増加に取り組む。
【優秀賞】しまね和牛復活!!日本一の和牛産地をめざして
担い手支援で生産拡大
島根県JAしまね出雲地区本部畜産課 渡部優太氏
出雲の和牛生産者は年々減少しているが、飼育頭数は大型・中型の担い手を中心に維持されている。増頭希望はあるが、牛の購入費や施設の整備に多額の資金が必要になる。
担い手の支援と生産拡大が必須であり、関係機関と一体となってサポートに取り組んできた。
生産基盤の拡大支援では国の畜産クラスター事業や県の生産振興事業、市とJAの支援事業を組み合わせて増頭を支援し、繁殖牛を2018年の1055頭から2021年に1213頭と158頭増やした。
若手の担い手からは増頭したいがすぐに牛舎を建てることは難しいと相談を受けるなかで、ベテラン農家の空き牛舎をレンタルすることで農家間継承を行い、増頭につなげた。
また、第12回全国和牛能力共進会で実績を上げることを目標に受精卵移植や超音波画像による肉質診断、農業高校生への指導などに取り組み、肉牛の部(第6区)で全国1位となるなど好成績を収め枝肉の販売高向上、地元高級ホテルとの新規取引などを実現した。今後も「しまね和牛」を盛り上げていく。
【優秀賞】日本一のユズ産地を支える取り組み
母樹育成・供給で信頼感
JA高知県安芸営農経済センター営農指導課 山影学氏
取引先からはユズ果汁を増産してほしいと依頼がある一方、農家からは苗木が足りないという声が寄せられ、JAは安芸地区ユズ母樹育成プロジェクト会を設置し、2010年に優良系統の複製母樹の定植、その後、母樹から穂木を採取、生産者への苗木供給を始めた。
2018年には1万本以上を供給、水田転換園への新植も増加した。豪雨災害で被災したが、苗木を大量に供給できたことから改植にすぐに対応できた。
2023年には収穫量5000tを超える見込みで取引先からも信頼を得ている。
販売面では出荷時期が12月に集中し、薄利多売の状態になっていたため、青玉やカラーリングの出荷を増やす取り組みをした。青玉は販売単価が安いが防除コストが安い。出荷分散による雇用費軽減にもつながる。カラーリング処理では高単価が期待されることなどを生産者に伝えていった。
その結果、2009年とくらべて2021年産では青玉とカラーリング出荷量は3倍に増加した。カラーリング出荷で収入が33%増加した。そのほか新規就農者の確保に向けた現地講習会や個別栽培指導のほか、今後は経営アドバイスも実施する予定だ。
【第8回(2024)営農指導実践全国大会リンク】
JA営農指導実践全国大会 優秀事例を共有 産地振興、技術普及の底上げへ
【最優秀賞】「わかやま布引だいこん」を日本一の産地へ JAわかやま南部営農センター 楫本智司氏【JA営農指導実践全国大会】
【審査員特別賞】めざそう! アスパラ主導で離島農業日本一へ 長崎県JA壱岐市農産園芸課 松嶋新氏【JA営農指導実践全国大会】
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