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担い手につくる誇り 組合員が求める自己改革を【仲澤秀美・JA梨北常務理事】2019年1月29日

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◆気象情報会社と提携

仲澤秀美・JA梨北常務理事 JA梨北では、10年以上前から経済事業改革に取り組んでいます。JA改革が騒がれた時、「取り組んできたことは間違えていない」という手応えさえ感じました。営農指導事業では「気象に打ち勝つ農業」が「梨北農業づくり」の根幹を成しています。平成24年度から(株)ウェザーニューズと契約し、気象情報を入手しています。もはや異常気象ではなく、常態化する気象変化に営農指導員が挑み、未熟な営農指導員の育成には再雇用制度による熟練の職員、あるいは生産者から選抜した「農の匠」が対応しています。
 多様な担い手の中核である生産部会こそアクティブメンバーです。生産部会と共に産地を守り農業を継承する。農業後継者や新規就農者を生産部会につなぐこともJAの役割です。作る技術はあっても労力がない高齢者のため、農福連携・産学連携で労働力を提供しています。
 担い手経営体部会ではJAが潤滑油となり、連携による有効化・効率化を図っていまするが、そこではJAを利用しているか否かは関係ありません。すべてを囲い込もうなどとは思わず、JAは都合のいい時にだけ使われる時代が到来していると考えています。

 

◆価格でなく物語性で

 販売事業では「廃棄ゼロ」を目指しています。段階的な「梨北ブランド」で、すべての農畜産物にブランド(ロゴ)を付与し、農業者所得の向上につなげます。「このロゴが付いているものは安全だから安心だし、おいしいよね」と、言われたいのであれば仕掛けるようにしています。「モノ」ではなく「コト」を売る。「売れるモノ」を模索するだけではなく、「売れる物語(ストーリー)」を作る。終わりのない「~よりも」戦略ではなく、ストーリーのある差別化による"オンリーワン"戦略です。
 昨年8月、シェラトン都ホテル東京でメイドイン梨北フェアが開かれました。小さな産地ですだが作っている農畜産物が多岐にわたるため、当管内産によるフルコースの料理ができます。「生産者にエールを送りたい」という物語にホテルが賛同してくれました。生産者は「誰かが食べている」と思っているが、それを見たことはありません。一流ホテルのシェフによってきらびやかな料理になり称賛される様子を生産現場に伝えたい。生産者が作ることに「誇り」を持たなければ、農業が滅びてしまうのではないでしょうか。
 穀倉地帯では多くの営農施設が必要であり、需要が増加しています。利用料を据え置いた設備投資は、総合事業体でなければできません。信用事業が代理店方式になれば、利用料は数倍になります。信用・共済事業で得た資金を農業振興に充当しており、JAを利用することが農業振興につながり、利用者への還元は安全・安心な国産農畜産物を食することにつながるのです。「あなたの体、6割外国産だよね」、ドキッとする。食料を外国に委ねれば、"兵糧攻め"にあうでしょう。
 購買事業では、全農も一商社として対応しています。系統組織ではありますが、全農からの仕入れは50%未満。平成11年度から肥料・農薬の自己取り値引き、平成21年度から燃料の複数取り引きによる割引、24年度から商系と取り引きを行い、28年度から農業収支帳票(申告用)を配付しています。
 格のみの競争は、わが首を絞めることになります。「何を売るか」よりも「誰が売るか」が大事で、要は自分が信頼されることです。経営をするために手数料はもらうが、組合員から「お前たちのために手数料を払う」と言ってもらえる仕事をする。「わがJAを運営するために手数料を払う」という意識の醸成は、アクティブメンバーの育成につながるものです。

 

◆遠くの子供よりJA

 管内の地区別の高齢化率は17%から62%。買い物困難者のために配置購買・移動販売車、そして一声運動(「必要なものはありませんか?」)を展開しています。全戸訪問の外務活動は安否確認にもなります。外務活動で自分を売る。遠くの子どもより近くのJAでありたい。JAが果たすべき役割は続き、終わりはありません。終わりがあるとすれば、すべての組合員がJAを必要としなくなった時...。たった一人でも必要とするならばJAは存続しなければなりません。
 アクティブメンバーシップの強化には、自己改革の「見える化」が必要です。「自己改革している」と自己満足に浸るのではなく、強い想いをあらゆる場面で伝える。トップ広報から世間話に至るまで、自己改革を常に語る。政府もしくはJAが組合員に問うた時、「JAは変わったぞ」と言ってもらうためには、伝え方を間違えてはいけません。農協たたきの農協改革に毅然と立ち向かい、自己改革で存在価値を取り戻す必要があります。
 JAは、政府が求める改革ではなく組合員が求める改革をしなければなりません。組合員のためにJA組織はあるのです。総合事業の優位性を発揮した「組合員メリット」と、総合事業体の最大の特長である事業クロスセル(関連商品提案)によって組織基盤を強化する。「JAにしかできない」「JAだからこそできる」総合サービスを提供し、多様な広報手段で「JAの見える化」を図り、ニューパートナー・ニューファミリーを獲得しなければなりません。「JAが何かしてくれる」ことを組合員が待つようではダメです。JAは、組合員のわがままを聞く組織ではありません。JAは、アクティブメンバーの「願いを叶える組織」です。

 

(関連記事)
酪農専門の総合農協 各JAの経営理念明確に【石橋榮紀・JA浜中町代表理事会長】(19.01.29)

 

※このページ「紙上セミナー」は新世紀JA研究会の責任で編集しています。

新世紀JA研究会のこれまでの活動をテーマごとにまとめていますぜひご覧下さい。

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