【27年度農業予算】ロボット技術導入を2014年10月8日
27年度予算には「農林水産物・食品の高付加価値化の推進」として6次産業化などの予算を要求している。
◆6次産業、10倍に
都道府県段階に6次産業化プランナーを配置して新商品開発や販路開拓などを支援したり、6次産業化ビジネスを農産漁村が自ら創出する人材育成を支援するなどの6次産業化支援対策は、今年度より15億円増の42億円を要求している。政府は6次産業の市場規模を27年度の3兆円から32年度に10兆円とすることを目標にしている。
◆飛躍的に生産性向上
先端ロボットなどの革新的技術の導入で飛躍的に生産性向上を図るための関連産業と連携した開発・普及を支援するための予算は新たに52億円を要求した。
ロボット関連企業は農林水産業に関する知見が乏しく、市場も不確実なために参入が進んでいないため同予算を活用して後押しする。まとまった規模・地区での導入を支援する実証事業や実用化・量産化に向けた標準化や安全対策等を検討する。
具体的なロボット技術としては夜間作業や複数同時作業などを行うことができる無人トラクターや、中山間地の作業を軽労化するロボット、収穫物の積み下ろしを軽労化するアシストスーツなどがある。
(写真)
アシストスーツ実演(6月農水省で)
◆薬用作物の産地確立
知的財産も活用して品質・ブランド力などに「強み」がある農畜産物を生み出す新品種・新技術の開発などの予算も7億円を要求。育種時から実需ニーズを反映させた新品種開発や、育種期間の短縮に資するDNAマーカーなどの開発推進や、これらの新技術を活用して農業者、実需者などが一体で産地形成を行う取り組みなども支援する。 薬用作物の産地確立も支援する。薬用作物は8割を中国からの輸入に依存している。一方、薬草栽培は中山間地域の活性化や耕作放棄地の活用につながるとの現場の期待も高い。予算は5億円を要求。地域に応じた品種選定や栽培マニュアルの作成、実証ほ場の設置などを支援する。政策目標は22年度900tの薬用作物生産を28年度に1350tとする。
【27年度農林水産予算概算要求の重点事項(3)】(カッコ内)は26年度当初予算額
○農林水産物・食品の高付加価値化等の推進
▽農林漁業成長産業化ファンドの積極的活用(財投資金) 150億円(150億円)
▽6次産業化支援対策 42億円(27億円)
▽医福食農連携の推進 5億円(4億円)
▽新品種・新技術活用型産地育成支援事業(産地活性化総合対策で実施) 7億円(同)
▽薬用作物等地域特産作物産地確立支援事業(産地活性化総合対策で実施) 5億円(4億円)
▽民間活力等を活かした「知の集積」の推進 20億円(11億円)
▽先端ロボットなど革新的技術の開発・普及(新規) 52億円
▽知的財産保護・活用推進事業 2億円(同)
うち地理的表示保護制度推進事業(新規)1億円
(関連記事)
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