農協運動への情熱を記録 大金氏『評伝 宮脇朝男』2014年12月22日
平成26年度のJA研究賞の授賞式が12月18日に東京・大手町のJAビルで行われた。受賞作品は大金義昭氏(食料・農業・農村ジャーナリスト)の『評伝 宮脇朝男 農協運動に命を捧げた男』(家の光協会)。授賞式では萬歳章JA全中会長から表彰状と副賞(50万円)が贈られた。
同書は宮脇朝男氏の生誕100年と没後35年を記念して香川県農協グループと家の光出版総合サービスが2012年に共同企画し、大金氏が先人の労作や関係資料、地元取材者の協力を得て2013年秋に出版した。第4代全中会長を務めた宮脇氏の1912年から78年まで65年間の波瀾万丈の生涯をたどり、農協の原点や中央会・連合会の機能などを検証した。また、評伝を通じて農協の協同活動と総合事業の意義も明らかにしている。
同書に対して選考委員からは、
○農民とともに結集力と求心力を土台とした農協改革を先導してきた宮脇朝男氏の実証的研究成果。今日の政府の規制改革実施計画や全中総合審議会の論議、とくに中央会のあり方に大きな示唆を与える著作、
○農協に関するさまざまな批判が渦巻く今日、農協に関わる人が持たねばならぬ矜持と使命感を平易に伝えている、
○本書は研究書ではないからこそ、宮脇朝男の考え方、人となりを平易な言葉で綴られており、農協改革の渦中にあるわれわれに対して原点を振り返るうえで貴重な存在、といった評価があったという。
大金氏は取材・執筆開始当初は現在のような農協批判・解体論が渦巻くような状況ではなかったが「図らずも体を張って運動した宮脇氏の足跡を示すことになった。こんな時代だからこそ意味のある評伝だとの評価があった。読んでいただきそこで得た感想を自分の考えとして自信を持って取り組んでほしい」と話していた。
大金義昭氏は1945年生まれ。栃木県出身。早大法学部卒。家の光協会職員として『家の光』『地上』編集部などを経て文化センターと編集局の局長を歴任。宇都宮市在住。
(写真)
大金義昭氏(右)と萬歳会長
(関連記事)
・JA研究賞に大金義昭氏 JA全中(2014.12.10)
・「学習活動の強化を」JA研究賞の石田氏(2014.01.07)
・【ブックガイド】評伝・宮脇朝男 農協運動に命を捧げた男JA研究賞(2013.11.22)
・憲法から協同組合を考える 堀越氏が2度目のJA研究賞受賞(2012.12.28)
・JA研究賞に堀越芳昭氏の『協同組合の社会経済制度』 JA全中 (2012.12.11)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(174)食料・農業・農村基本計画(16)食料自給率その他の食料安全保障の確保に関する目標2025年12月27日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(91)ビスグアニジン【防除学習帖】第330回2025年12月27日 -
農薬の正しい使い方(64)生化学的選択性【今さら聞けない営農情報】第330回2025年12月27日 -
世界が認めたイタリア料理【イタリア通信】2025年12月27日 -
【特殊報】キュウリ黒点根腐病 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【特殊報】ウメ、モモ、スモモにモモヒメヨコバイ 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【注意報】トマト黄化葉巻病 冬春トマト栽培地域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
【注意報】イチゴにハダニ類 県内全域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
バイオマス発電使った大型植物工場行き詰まり 株式会社サラが民事再生 膨れるコスト、資金調達に課題2025年12月26日 -
農業予算250億円増 2兆2956億円 構造転換予算は倍増2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(1)2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(2)2025年12月26日 -
米卸「鳥取県食」に特別清算命令 競争激化に米価が追い打ち 負債6.5億円2025年12月26日 -
(467)戦略:テロワール化が全てではない...【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月26日 -
【スマート農業の風】(21)スマート農業を家族経営に生かす2025年12月26日 -
JAなめがたしおさい・バイウィルと連携協定を締結 JA三井リース2025年12月26日 -
「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業」採択 高野冷凍・工場の省エネ対策を支援 JA三井リース2025年12月26日 -
日本の農畜水産物を世界へ 投資先の輸出企業を紹介 アグリビジネス投資育成2025年12月26日 -
石垣島で「生産」と「消費」から窒素負荷を見える化 国際農研×農研機構2025年12月26日 -
【幹部人事および関係会社人事】井関農機(1月1日付)2025年12月26日


































