日欧EPA協定のGI保護-「パルメザン」は対象外2017年12月20日
7月の日欧EPAの大枠合意を受け日本とEU間で地理的表示(GI)の保護について調整を実施してきたが、11月末に最終的な調整を行い、EU側71、日本側48のGI登録産品が相互に保護されることになった。
双方は高いレベルでのGI保護で合意し、産品への表示だけではなく広告やインターネットなどのサービス的な名称使用についてもGI侵害として地理的表示の使用が禁止される。
使用禁止とされるのは、消費者に真正の地理的表示産品と誤認させるような名称使用のほか、明細書(産地・品質基準・生産方法などを示す文書)がない産品では▽真正の産地を記載している場合、▽真正の産地を翻訳、音訳している場合、▽~種、~タイプ、~スタイルといった表現をしている場合。また、地理的表示の保護以前から同一・類似名称を使用していた(先使用)場合についても、日欧EPA発効後、7年間の経過期間を経た後は地理的表示の使用は禁止される。ただ、カマンベール、ゴーダなどGIの一部が普通名称と認識されているものは保護されない。ハードチーズの「パルメザン」も保護対象外などに合意した。
品種名称として同一名称が使用されている産品については、品種としての名称使用は対象外とした。バレンシア・オレンジなどがその例となる。
一方、日本のGI産品で保護の対象となるのは地理的表示保護制度で登録された産品のうち48産品。今回の合意に基づき物への直接表示だけでなく広告等のサービス的な使用もGI保護の対象とすることや、名称等の「先使用期間」を7年に制限するよう地理的表示法の改正を検討する。
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