野生イノシシに餌ワクチンを散布-農水省2019年2月22日
農林水産省は2月22日、岐阜県、愛知県で発生している豚コレラ対策を検討する「農林水産省豚コレラ防疫対策本部」を開催し、野生イノシシに餌ワクチンを散布することを決めた。3月から実施するよう準備を進める。
わが国で初めての取り組みとして、豚コレラに感染したイノシシが確認された岐阜県、愛知県内に地域を設定して散布する。これによって野生イノシシを介した豚コレラウイルスの拡散防止を図る。
吉川農相は22日の閣議後記者会見で、岐阜県瑞浪市の農場で19日に10例目の豚コレラ患畜が確認され、改めて野生イノシシとの関連が疑われたことから野生イノシシへの餌ワクチン散布について「そういう時期に来ているだろう」と判断したとした。
経口ワクチンはドイツ製で3月上旬までに12万個輸入する。このワクチンは1個300円。10cm~15cm土を堀り、そこにアルミニウムで包んだ液状の弱毒生ワクチンとその外側にトウモロコシ粉、ミルクパウダー、アーモンド、ココナツ油などを入れて埋める。掘り返して餌を食べるイノシシの習性を利用する。
ワクチンは一箇所に複数個埋める。これは母イノシシを中心に複数のイノシシが群れで行動し餌を食べることを想定したもので、群れとして豚コレラウイルスに免疫を獲得することを狙う。
(写真)野生のイノシシ(イメージ)
散布は年3シーズン(春:3月~5月、夏から秋:7月~9月、冬:1月~2月)。1シーズンに2回散布する。散布1週間後に回収し、イノシシが食べたかどうかを確認する。農水省によると10日ほどで免疫を獲得するという。
猟友会などの協力でワクチンを散布。この3月から5月の最初のシーズンには、4万個を2回散布する。対策が有効かどうかはワナでイノシシを捕獲し抗体検査などを行って確認するという。
(写真)第5回拡大豚コレラ疫学調査検討会
22日午後からは第5回拡大豚コレラ疫学調査検討会が開催され、岐阜、愛知の専門家も出席し感染ルートなどを検討する。
なお、豚へのワクチン接種について吉川農相は「極めて慎重に判断しなければならない」と話した。
(関連記事)
・豚コレラ 国内10例目を確認(19.02.20)
・野生イノシシにワクチンを検討-豚コレラ対策(19.02.20)
・マレーシアの家きん肉 一時輸入停止措置を解除(19.02.20)
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