農政:全国会議員に聞く「どうするのかコロナ危機」
青山雅幸 日本維新の会 衆議院議員【緊急特集 全国会議員に聞く「どうするのかコロナ危機」】2021年9月16日
青山雅幸 衆議院議員
○青山雅幸
○日本維新の会・無所属の会
○衆議院議員
○選挙区:比例代表東海
○出身地:静岡県静岡市
【1】現在の政府のコロナ対策についての評価
一般的にパンデミックレベルの感染症に対する対策の柱として考えられるのは、①医療体制整備、②防疫、である。
昨年春に武漢で発生してそれが世界に広がり始めた当時、治療法も確立しておらず、民間中心の医療の日本が、欧米と異なり「コロナシフト」を取ることが出来ず、欧米各国が飛びついた「ロックダウン」に類する「緊急事態宣言」にすがった(防疫一本足体制)のは、当時としては無理からぬところもあった。だが、欧米においてロックダウンを採用する国・しない国(アメリカにおいては州)の間に有意差が見いだせない状況もある一方、コロナ治療については、投薬においてはデキサメタゾン(ステロイド)による中等症・重症への移行抑制と治療・モノクローナル抗体カクテル療法(ロナプリーブ)による重症化防止などの投薬やネーザルハイフロー療法など、医療面で出来ることも多くなり、7月以降の致死率は厚労省調べ(衆院厚労委員会理事にのみ開示)では0.1%(インフルエンザと同等)にまで低下している。
つまり、出来るかどうかわからない(というより出来なかった)ロックダウン類似の防疫体制に血道を上げるより、効果が確実な医療体制の拡大及び充実に全力を注ぐべきであるが、未だにその方針転換が進んでいない。つまり、現状分析と判断が極めて不十分である。
【2】今後のコロナ対策についての提案
今までの「自宅・施設療養」は、療養とは名ばかり、その実は「自宅軟禁・施設監禁」であり、「医療からの隔離」であった。前記のとおり、今はコロナは「治せる病気」であるため、軽症段階から積極的に医療が関与すれば、重症化や死亡を防ぐことが出来る。
したがって、今政治が取り組むべき対策は1も2もなく「医療体制の拡大と充実」であり、その柱は今まで軽視されてきた軽症者への医療提供である。既に大阪府や愛媛県では自宅療養者にも外来治療が始まっている。往診やオンライン診療よりも外来治療の方が有利なのは、CTが活用できる点だ。CTは肺炎の兆候をいち早く掴むことが出来、そうすればデキサメタゾン投与など次の手が打てる。軽症者が自宅・施設療養中に具合が悪くなったと感じたら、自ら外来治療に出向けるようにすれば、自宅待機死も格段に減る。
なお、狭いビジネスホテルでの施設療養より、ストレス軽減などの観点からは自宅療養が望ましいが、そのためには自宅への食料品の配送などの業務にこそ保健所のマンパワーを使うべきであり、医療調整は医療機関に任せるべきだ。
【3】コロナ禍で見えてきた日本の政治のあり方について思うことがありますか?
結局、日本の政治は素人の集まり。そして、自力で研究・調査などほとんど行われていない。通常国会中、週2回・各7時間ずつ衆院厚労委員会では質疑が行われたが、そのほとんどを使っていた野党第一党の質疑は、お世辞にも綿密な調査・検討に基づくものとは言えず、週刊誌・ワイドショーレベルの知識で扇動的に政府を攻撃するばかりであった。
折角の政党交付金が、政党内部シンクタンクの設置や議員スタッフの充実(米上院議員は40名ものスタッフを常用している)に使われないので、このような低レベルの国会質疑が必然となる。政党交付金を議員にばらまく、あるいは幹部の秘密資金にするのではなく、国会審議を充実させ政策を高度化することに資する用途に限定していくべきだ。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日