バイオマス灰由来肥料の供給体制を確立 サンプルワークを開始 日本製紙2024年1月24日
日本製紙は、勇払バイオマス発電所と八代工場N1バイオマス発電設備で発生する燃焼灰(バイオマス灰)由来肥料を1月から販売開始。農林水産省が運営する「国内肥料資源マッチングサイト」を活用し、肥料製造会社や肥料利用者へのサンプルワークを進める。
日本製紙は、2018年から試験的に八代工場のバイオマス灰の一部を特殊肥料として販売。その結果が良好であったことから、2023年7月に300トン/年のバイオマス灰の全量を肥料化できる供給体制を確立した。また、勇払のバイオマス灰について2023年10月に、「肥料の品質の確保等に関する法律(肥料法)」における副産肥料としての登録を受け、5000トン/年の供給体制を確立。八代・勇払合計で5300トン/年の供給体制を基盤として本格的に販売を開始する。
木質チップ等を燃料とするバイオマス灰は、カリウムなどの肥料成分が含まれていることが知られている。日本は肥料成分の多くを輸入に依存していることから、安定供給できる国産資源として肥料原料への利用が期待されている。
同社は紙の生産で培った自家発電の操業ノウハウと木質チップの集荷ネットワークを活用し、国産資源であるバイオマス灰の有効活用で肥料原料の安定供給につなげる。特に、勇払バイオマス発電所は、同社と双日が共同で設立し、2023年2月から営業運転を開始した国内最大級のバイオマス専焼の発電所。燃料として海外から調達する木質チップとPKS(パームヤシ殻)のほか、北海道内で発生する林地残材等の未利用木材を常時集荷しているため、肥料を安定的に大量に供給できる。また、八代工場N1バイオマス発電設備は、2015年6月から営業運転を開始した設備で、国産の間伐材由来等の木質バイオマスチップ100%を燃料としている。
同社は、CO2排出量低減につながる木質バイオマスのエネルギー分野への活用を進め、事業拡大を図る。また、木から生まれたバイオマス灰を肥料として自然に還し活用することで、資源の有効活用を進め、持続可能な循環型社会の形成に貢献する。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(140)-改正食料・農業・農村基本法(26)-2025年5月3日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(57)【防除学習帖】第296回2025年5月3日
-
農薬の正しい使い方(30)【今さら聞けない営農情報】第296回2025年5月3日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】「盗人に追い銭」「鴨葱」外交の生贄にしてはならぬ農産物2025年5月2日
-
【2025国際協同組合年】情報を共有 協同の力で国際協力 連続シンポスタート2025年5月2日
-
イネカメムシが越冬 埼玉、群馬、栃木で確認 被害多発の恐れ2025年5月2日
-
九州和牛をシンガポール人に人気のお土産に 福岡空港で検疫代行サービスを開始 福岡ソノリク2025年5月2日
-
就労継続支援B型事業所を開設し農福連携に挑戦 有機農家とも業務提携 ハピネス2025年5月2日
-
宮崎ガス「カーボン・オフセット都市ガス」 を県庁などに供給開始 農林中金が媒介2025年5月2日
-
5月29日から「丸の内 日本ワインWeeks2025」開催 "日本ワイン"を学び、楽しむ3週間 三菱地所2025年5月2日
-
協同心の泉 大切に 創立記念式典 家の光協会2025年5月2日
-
【スマート農業の風】(14)スマート農業のハードルを下げる2025年5月2日
-
(433)「エルダースピーク」実体験【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年5月2日
-
約1cm程度の害虫を強力捕獲「吊るしてGET虫ミニ強力タイプ」新発売 平城商事2025年5月2日
-
農中情報システム 自社の導入・活用のノウハウを活かし「Box」通じたDX支援開始2025年5月2日
-
洗車を楽しく「CRUZARD」洗車仕様ホースリールとノズルを発売 コメリ2025年5月2日
-
戦後80年の国際協同組合年 世代超え「戦争と平和」考える パルシステム神奈川2025年5月2日
-
生協の「地域見守り協定」締結数 全市区町村数の75%超の1308市区町村に到達2025年5月2日
-
ムコ多糖症ニホンザルの臨床徴候改善に成功 組換えカイコと糖鎖改変技術による新型酵素2025年5月2日
-
エフピコ×Aコープ「エコトレー」など積極使用で「ストアtoストア」協働を拡大2025年5月2日