タマネギのケルセチン 認知機能の表現維持に役立つ機能を報告 岐阜大学ら研究グループ2023年7月27日
岐阜大学、農研機構、北海道情報大学等の研究グループは、野菜、特にタマネギに多く含まれる「ケルセチン」の認知および心理機能に及ぼす作用に関する研究において、軽度認知障害および発症早期の認知症を対象に、タマネギ加熱粉末を12週間摂取するプラセボ対照ランダム化二重盲検比較試験を実施。その結果、タマネギのケルセチンは、軽度認知障害や早期認知症に伴い低下する認知機能のうちの"表現"の維持に役立つ機能が認められた。
図1:記述された単語のネットワーク図
高齢化に伴う認知症の増加は、高齢化が進む日本の喫緊な課題。令和元年に認知症施策推進大綱がとりまとめられ、今年、認知症基本法が成立し、認知症とともに生きられる「共生」と発症を遅らせる「予防」の重要性が示された。特に、食生活に基づく行動心理症状や認知機能低下の軽減が期待されている。
岐阜大学、農研機構、北海道情報大学等の研究グループは、野菜、特にタマネギに多く含まれる「ケルセチン」の認知および心理機能に及ぼす作用をこれまで研究してきた。今回、岐阜大学で、軽度認知障害と発症早期の認知症(アルツハイマー病)の被験者19人を対象に、ケルセチンを高含有するタマネギ粉末またはケルセチンを含まないタマネギ粉末を12週間毎日摂取してもらい、摂取前後にミニメンタルステート検査を実施した。
その結果、ケルセチンを多く含むタマネギ粉末を摂取した人は、ケルセチンを含まないタマネギ粉末を摂取した人に比べ、文章記述の点数が有意に高いことが確認された。さらに、単語を詳しく検討すると"良い"、"楽しいなどの前向きな表現を示す形容詞の記述が増え、また単語のつながりのある記述が増えていることが分かった(図1)。
この結果は、普段食するタマネギが、認知症発症前後に経験する"単語が思い出せない"などの想起障害に対して役に立つ可能性を示している。
同研究成果は7月21日、『Heliyon』オンライン版で公開された。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】野菜類、花き類、ダイズにオオタバコガ 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2025年7月15日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県全域で多発のおそれ 栃木県2025年7月15日
-
子ども向け農業体験プログラム「KUBOTA AGRI FRONTの夏休み2025」開催 クボタ2025年7月15日
-
【第46回農協人文化賞】資金循環で地域共生 信用事業部門・埼玉県・あさか野農協組合長 髙橋均氏2025年7月14日
-
【第46回農協人文化賞】組合員の未来に伴走 信用事業部門・秋田やまもと農協常務 大鐘和弘氏2025年7月14日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 三重県2025年7月14日
-
【注意報】イネカメムシ 県内全域で多発のおそれ 鳥取県2025年7月14日
-
主食用米の在庫なし、農機の修理・メンテナンス年3000件 JA常総ひかり2025年7月14日
-
【'25新組合長に聞く】JA岡山(岡山) 三宅雅之氏(6/27就任) 地域を元気にするのが農協の役割2025年7月14日
-
JA全農ひろしまとJA尾道市、ジュンテンドーと 売買基本契約を締結、協業開始2025年7月14日
-
蒜山とうもろこしの宣伝強化 瀬戸内かきがらアグリ事業も開始 JA全農おかやま2025年7月14日
-
酪農の輪 プロジェクト 夏休み親子で「オンライン牧場体験」開催 協同乳業2025年7月14日
-
大阪府泉北郡に「JAファーマーズ忠岡」新規開店 JA全農2025年7月14日
-
食農と宇宙をつなぐイベント あぐラボとMUGENLABO UNIVERSEが共催2025年7月14日
-
岩手県産のお肉が送料負担なし「いわちく販売会」開催中 JAタウン2025年7月14日
-
【今川直人・農協の核心】全中再興(2)2025年7月14日
-
「とちぎ和牛」が7年ぶりに全国最高位 "名誉賞"獲得 「第27回全農肉牛枝肉共励会」2025年7月14日
-
【役員人事】北興化学工業(9月1日付)2025年7月14日
-
第148回秋田県種苗交換会キャッチフレーズ決定 全国906作品から選出2025年7月14日
-
無料でブルーベリー食べ放題 山形・鶴岡の月山高原で地域活性イベント開催2025年7月14日