「未来に希望が持てる酪農に」生産者が窮状訴え2013年8月9日
中央酪農会議(中酪)は、10月からの飲用牛乳向け乳価の引き上げを受けて、小売価格の上昇が牛乳の消費減退につながらないようにと、消費者や流通・小売業界などに値上げへの理解を求める運動を行っている。8月7日には、東京都内で生産者を交えて会見を行った。
会見に出席したのは、栃木県那須塩原市の酪農家、人見みゐ子・幸雄さん夫妻。
娘夫婦と4人で飼養頭数40頭、耕作面積7.2haを営んでおり、体験館“TRY”“TRY”“TRY”を開き教育ファームにも取り組むなど、地域や消費者のとの交流にも積極的だ。
みゐ子さんは、「2009、10年の飼料価格高騰の時は、乳価の値上げでなんとか助かった。しかし、11年の震災と原発事故で大きな被害を受け、今年からはまた飼料価格が高騰した」と、ここ数年の厳しい酪農経営の現状を述べるとともに、「近隣でも酪農家の廃業が増えている。全国の仲間は知恵を振り絞って安全で、おいしい牛乳を消費者に届けようと努力している。(値上げについて)どうかご理解いただきたい」と訴えた。
中酪ではこうした会見のほか、10月まで新聞広告やテレビCMの追加放映など継続的に乳価値上げに対する理解醸成運動に取り組んでいく。
(エトキ)
生産現場の窮状を訴える人見幸男さん(右)とみゐ子さん
(関連記事)
・牛乳値上げへの理解情勢運動 中央酪農会議 (13.08.06)
・牛乳生産量0.5%減 6月の牛乳乳製品統計(2013.07.30)
・生乳需給、楽観視できず Jミルク、上期見通し(2013.07.24)
・牛乳への疑問に応えるウェブサイト Jミルク(2013.07.16)
・都府県の生乳生産コスト、1頭あたり89万円(2013.07.05)
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日