上期の生乳生産量 前年比2.4%減の見込み2014年5月28日
Jミルクが需給見通しを公表
一般社団法人Jミルクは5月27日、平成26年度上期の生乳及び牛乳乳製品の需給見通しと当面の課題を発表した。
◆バター生産量1割以上減
同日の説明会でJミルクの前田浩史専務は、「我が国酪農の生乳・牛乳乳製品は、北海道を含め全国的な生産減に歯止めがかからない状況にある。需給の逼迫状況を解消するためにも、生産拡大に努める必要がある」と、酪農業界の現状について述べた。
26年度上期の生乳生産量見通し予測では、前年度を下回る見込み。
全国で第1四半期は前年比97%、第2四半期で同98.2%、上期生産量は同97.6%の370万1000tと予測した。
牛乳の生産量は、前年度をやや下回る程度で推移し、「乳飲料」は比較的堅調、「はっ酵乳」は好調に推移するものと見込まれる。牛乳類の上期生産量は、前年比99.1%の250万8000klの見通しだ。
特定乳製品(脱脂粉乳・バター)上期生産量は前年度を大きく下回る見込み。バターは前年比89.6%の3万tと大きく減少する見込みだ。
◆夏場の暑熱対策など呼びかけ
当面する課題と対応については、次の通り。
▽生乳生産拡大への取組み
26年度上期は生乳供給量が減少するため、需給は逼迫すると見通されるため、生乳生産拡大に努める必要がある。夏に向けては暑熱対策や飼養管理の徹底により、生乳生産量の低下を最小限に留める対策が重要だ。
▽飲用牛乳需要期への取組み
飲用牛乳需要期を迎える7月以降、特に学校給食用牛乳取扱いが始まる9月の最需要期に向け、酪農乳業関係者は不要な混乱を招かないよう、適切かつ計画的な対応について準備していく必要がある。
▽乳製品の安定供給への取組み
特定乳製品需要は、生乳供給の減少により、在庫量の減少が見込まれる。国は、乳製品需給安定のため、26年度上期予定の輸入売渡しに加え、26年度カレントアクセス残量分で脱脂粉乳4000t、追加分でバター7000tの輸入を決定した。適宜適切な情報発信を行い、国内乳製品需要の減少を招かぬよう、安定供給に努めることが重要。
▽的確な需給調整対応の実施
こうした需給環境の中、生乳生産量や牛乳需要量は、天候により大きく変わる可能性があり、酪農乳業関係者は需給調整が円滑に行われるよう、きめ細かな対応をしていくことが必要である。
(関連記事)
・バター7000t追加輸入 農水省(2014.05.22)
・25年度生乳生産量、2.1%減 農水省統計(2014.04.28)
・学校給食で牛乳中止 日本栄養士会が反論(2014.04.25)
・5月31日 牛乳と食文化を考えるフォーラム(2014.04.23)
・25年度販売乳量719万t 前年比2%減(2014.04.21)
重要な記事
最新の記事
-
新品種から商品開発まで 米の新規需要広げる挑戦 農研機構とグリコ栄養食品2025年5月1日
-
春夏野菜の病害虫防除 気候変動見逃さず(1)耕種的防除を併用【サステナ防除のすすめ2025】2025年5月1日
-
春夏野菜の病害虫防除 気候変動見逃さず(2)農薬の残効顧慮も【サステナ防除のすすめ2025】2025年5月1日
-
イモ掘り、イモ拾いモ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第338回2025年5月1日
-
地元木材で「香りの授業」、広島県府中明郷学園で開催 セントマティック2025年5月1日
-
大分ハウスみかんの出荷が始まる 大分県柑橘販売強化対策協議会2025年5月1日
-
Webマガジン『街角のクリエイティブ』で尾道特集 尾道と、おのみち鮮魚店「尾道産 天然真鯛の炊き込みご飯」の魅力を発信 街クリ2025年5月1日
-
5月1日「新茶の日」に狭山茶の新芽を食べる「新茶ミルクカルボナーラ」 温泉道場2025年5月1日
-
「越後姫」食育出前授業を開催 JA全農にいがた2025年5月1日
-
日本の米育ち 平田牧場 三元豚の「まんまるポークナゲット」新登場 生活クラブ2025年5月1日
-
千葉県袖ケ浦市 令和7年度「田んぼの学校」と「農作業体験」実施2025年5月1日
-
次世代アグリ・フードテックを牽引 岩手・一関高専から初代「スーパーアグリクリエーター」誕生2025年5月1日
-
プロ農家が教える3日間 田植え体験希望者を募集福井県福井市2025年5月1日
-
フィリップ モリス ジャパンとRCF「あおもり三八農業未来プロジェクト」発足 農業振興を支援2025年5月1日
-
ビオラ「ピエナ」シリーズに2種の新色追加 サカタのタネ2025年5月1日
-
北限の茶処・新潟県村上市「新茶のお茶摘み体験」参加者募集2025年5月1日
-
「健康経営優良法人2025」初認定 全農ビジネスサポート2025年5月1日
-
「スポットワーク」活用 農業の担い手確保事業を開始 富山県2025年5月1日
-
「Hiroshima FOOD BATON」食のイノベーションに挑戦する事業者を募集 広島県2025年5月1日
-
「良き仲間」恵まれ感謝 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(1)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日