「水戸の柔甘ねぎ」GI登録 生産部会が栽培・品質管理 JA水戸2018年2月8日
茨城県の「水戸の柔甘(やわらか)ねぎ」が地理的表示(GI)表示保護制度に基づく登録産品に登録された。排水がよく適度な保水性を持ち、十分な厚さの作土層があるという地理的条件から、柔らかく甘みのあるネギができる。この制度による登録は全国で59番目。JA水戸管内では「飯野栗」がGIに登録されており、1JAで2つの品目があるのは全国で初めて。2月7日、農水省で登録証を授与された。
「水戸の柔甘ねぎ」の特徴は、柔白ねぎより1.3~1.6倍長く、曲がりが少ない。柔らかく、グルコースの含有量が多いため甘味がある。またピルビン酸が少ないため辛みやえぐみが少なく、緑の部分まで生でも食べることができる。
これを支えているのが、JA水戸の水戸地区ねぎ生産部会の品質重視の徹底した栽培方式だ。会員20人で約3.7haを栽培。すべてビニールハウスで、露地栽培の土あげの代わりに遮光シートを使う。栽培体系は8通りあり、使用する肥料、施肥時期、さらには土づくりなどを徹底し、いずれも甘みがのり、もっとも品質のよいときに出荷することを厳守している。収量より品質重視で、昨年から今年にかけては、露地ものの単価が上がったため価格差は小さいが、通常はおよそ2倍の開きがあるという。
(写真)「水戸の柔甘ねぎ」のGI登録証授与式(左から2番目上月政務官、3人目八木岡組合長、農水省政務官室で)
平成8年、最初に栽培を始めた水戸地区ねぎ生産部会の園部優部会長は「ネギは大きな産地があるが、水戸は小さな産地だが、30、40代の若い部会員も多く、登録を契機に若い人が自信を持って続けられるようにしたい」と言う。申請者であるJA水戸の八木岡努組合長も「新規参入の若い生産者もおり、さらに品質のよいねぎを作るよう研究し、JAとして生産の拡大をバックアップしたい」と期待する。
登録証授与式で上月良祐農水大臣政務官は「四半世紀にわたる生産者の努力の結晶。柔甘ねぎを筆頭に、他の農産物のPRにつなげていただきたい」と励ました。
(関連記事)
・日欧EPA協定のGI保護-「パルメザン」は対象外(17.12.20)
・入善ジャンボ西瓜など地理的表示(GI)に新たに10品目(17.12.19)
・イタリアの産品が初登録-地理的表示(GI)(17.09.19)
・農家のために JA・商系の壁を超える JA水戸 農家の店しんしん内原店オープン(17.09.02)
・京都の「万願寺甘とう」がGI登録-JA全農(17.06.26)
・松阪・米沢・前沢 和牛をGI登録(17.03.06)
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日