戸井チーフオフィサーが講演 JA国産農畜産物商談会2018年3月16日
第12回JAグループ国産農畜産物商談会は来場者5244名、予約個別商談80件といずれも昨年を上回り盛況裡のうちに閉幕した。
この商談会では、これからの流通を考える特別セミナーも同時に開催された。このなかから15日に行われた戸井和久JA全農チーフオフィサーによる講演内容を紹介する。テーマは国産農畜産物の今後の流通と全農営業開発部の役割。
戸井氏は昭和53年にイトーヨーカ堂に入社し、農産物の仕入れなどを中心に長く食品分野で活躍してきた経験も踏まえ、この10年で農産物流通が激変しており、この新しい状況変化に的確に対応するJA全農営業開発部の今日的な役割について次のように述べた。
(写真)戸井和久JA全農チーフオフィサー
アマゾンに代表されるようなネット販売の拡大、単身や二人世帯の増加、共働き世帯の増加による主婦の社会進出、高齢化の進行、訪日客の増加など、わが国をめぐる社会状況が激しく変化している。それに伴って、消費者のニーズも大きく変化し、宅配サービスの発達、外食・中食の拡大、簡便・即食などの簡便性ニーズの高まり、高齢者向けの商品開発の重要性、そして農産物・食品の輸出拡大などが起きている。
JA全農グループには6つの販売子会社を含めてこうした変化に応える豊富な経営資源があるが、これまでは米、野菜、肉などの品目別縦割り事業が中心だったために、充分に変化に対応しきれていなかった。 昨年秋新設された営業開発部は、こうした変化に対応して各品目に横串を通し、生産・流通・販売にこれまでにない新しい価値を生み出す取り組みを行っていく。
具体的には、実需者などのニーズに基づいた横断型プロジェクトチームを立ち上げ、チームマーチャンダイジングに取り組み「商品と販路」「素材から食卓へ」「産地と実需者」「リアルとネットで」つなぐビジネスを展開していきたい。さらにインフラや物流拠点の整備も重要になるとした。 また4月からは新しく全農に「フードマーケット事業部」を立ち上げ、さらなる体制の充実を図りつつ、刻々と変わる状況変化を見逃さず、常に新しいビジネスチャンスを窺いながら、JA全農が引き続き日本の農業を支える中核機関としての機能を果たせるよう、総力をあげて取り組むと述べ、最後は「レッツ・メイク・バリュー」との言葉で講演を締めくくった。
このほか特別セミナーでは
▽ローソンと成城石井の周防品開発と今後の取組み:鈴木嘉之(株)成城石井商品本部長兼(株)ローソン成城石井事業本部長補佐
▽Amzonフレッシュの戦略:白子雅也アマゾンジャパン合同会社ディレクターAmazonフレッシュ事業本部長
▽2018年度を左右する3視点:松岡真宏フロンティア・マネジメント(株)代表取締役
(関連記事)
・第12回JAグループ国産農畜産物商談会(18.03.14)
・全農ミートオリジナル品 商談会で人気(18.02.19)
・【山崎周二JA全農代表理事専務に聞く】農家手取り確保のため さらなる「自己改革」を(18.02.19)
・JA全農 香港に現地法人設立へ 輸出を拡大(18.01.30)
・【戸井・全農チーフオフィサーに聞く】変化する消費現場に的確に応える(17.12.20)
・戸井・元イトーヨーカ堂社長を採用 JA全農(17.03.28)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(149)-改正食料・農業・農村基本法(35)-2025年7月5日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(66)【防除学習帖】第305回2025年7月5日
-
農薬の正しい使い方(39)【今さら聞けない営農情報】第305回2025年7月5日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 石川県2025年7月4日
-
(442)エーカレッジ(作付面積)から見る変化【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月4日
-
【JA人事】JAながさき県央(長崎県)里山耕治組合長を再任(6月27日)2025年7月4日
-
人的資本を人事制度で具体化する 「令和7年度 人事制度改善セミナー」開催 JA全中2025年7月4日
-
「有機薄膜太陽電池」で発電した電力 ブドウの着色に活用 実証実験開始 山梨県2025年7月4日
-
株主優待制度を新設 農業総研2025年7月4日
-
夏の訪れ告げる初競りの早生桃 福島県産「はつひめ」販売 青木フルーツ2025年7月4日
-
ニッテン「スズラン印」ロゴマークをリニューアル 日本甜菜製糖2025年7月4日
-
「国際協同組合年」認知度調査「生協に参加したい」が7割 パルシステム2025年7月4日
-
洋菓子のコロンバン主催「全国いちご選手権」あまりんが4連覇達成2025年7月4日
-
野菜わなげや野菜つり 遊んで学ぶ「おいしいこども縁日」道の駅とよはしで開催2025年7月4日
-
北海道初進出「北海道伊達生産センター」完成 村上農園2025年7月4日
-
震災乗り越え健康な親鶏を飼育 宮城のたまご生産を利用者が監査 パルシステム東京2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「農政技術(森林)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「獣医師(家畜保健衛生分野)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
信州の味が集結 JA全農長野×ファミマ共同開発商品 長野県知事に紹介2025年7月4日
-
障害者のやりがい・働きがい・生きがい「ガチャタマ」で応援 パルシステム埼玉2025年7月4日