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影響試算やセーフガードに疑問続出-TPPで集会2018年4月26日

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 「TPPプラスを許さない! 全国共同行動」は4月23日に「TPPプラス交渉をただす院内集会」を参議院議員会館で開いた。政府担当者による説明と質疑を行ったが、参加者からは、輸入品が増えても国内農業生産は維持されるとするなどの日本政府の試算について疑問の声が続出した。

◆カナダ一国で畜産壊滅?

TPP院内集会 同会によると、カナダ政府はTPP11によって対日輸出が8.6%、17億6700万カナダドル(約1449億円)増えると予想しており、その大半が農林水産物となっているという。これはTPP12よりも3割ほど多い試算で、とくに豚肉と牛肉については「米国の不参加からもっとも多くの利益を得た」と表明している。TPP11では米国が抜けたのに、米国の参加を前提とした関税削減などの約束について凍結や修正をしなかったためだ。
 カナダ政府はTPP11による対日豚肉輸出を36.2%、約524億円の増加を見込んでいる。一方、日本政府は豚肉の生産減少額を全体で124億円~248億円と試算しているが、カナダ一国だけの試算と倍以上の開きがある。
 牛肉もカナダ試算は310億円増と見込んでいるが、日本政府試算は200億円~399億円であり、カナダ一国だけの試算に相当する。そのほかに豪州やNZからの輸入もあることから説明会では「影響試算は過小評価ではないか」との質問が出た。
 これに対して農水省担当者はカナダの試算は「前提が異なる」とだけ答え、経営安定対策や体質強化策など国内対策も実践されることから、それらの効果もふまえて現実に起こり得る影響として試算したと説明。輸入が増えれば国内生産量は維持されるはずがないではないか、との声にも『対策を打つから大丈夫論』に終始した。
 これに対して参加者からはたとえば豚マルキンや牛マルキンの補てん率を9割に引き上げたからといっても、輸入増加で価格が低下し続けるなら「補てんも下がり続けることになるではないか」との批判も出た。

(写真)TPP院内集会

  

◆発動できないSG基準

 輸入急増を制限するセーフガード(SG)措置の発動基準も米国の参加を前提とした発動基準値がそのまま残された。
 牛肉のSG発動基準は協定発効時59万tで16年目には73.8万tに増え発動のハードルは上がる。しかし、米国からの輸入はカウントされないためこの基準数量は大きすぎないかという指摘が出た。たとえば、2016年の牛肉輸入量は52.6万tで輸入先は豪州が27.7万t、米国が20.7万tとなっている。TPP12協定であればあと6万t程度輸入が増えて59万tを超えればSGが発動される。
 しかし、米国が抜けたTPP11では米国の輸入量はカウントされない。そのため豪州からの輸入が倍増しても(27.7万t×2=55.4万t)セーフガードは発動できない。そうなれば米国からの輸入量と合わせて70万tを超える輸入量になってしまいかねない。
 こうした疑問について農水省は米国は牛肉関税が38.5%のまま維持され、一方、TPP11国は発効時に27.5%に引き下げ、その後、16年かけて9%まで段階的に削減されていくとして、豪州のほかNZやカナダなど牛肉が増えて「関税の高い米国産と置き換わっていくのではないか」との見方を示した。
 これに対して参加者からは米国産と豪州産では用途が違うとして「豪州産が倍増することになれば国産乳オスが打撃を受ける。見通しが甘い」と批判も出た。

 

◆協定見直しはできるのか

 TPP11では第6条で協定の見直しを規定している。この見直し規定は米国のTPP復帰が確実に見込めなくなった場合締結国の要請で見直しを行うこととされている。
 そうなれば牛肉のSG発動基準や、乳製品のTPP枠などについて日本は見直しを提起するとしており、また他分野も含めれば「日本だけでなく各国がお互い様」であり、政府は見直し規定は有効だと説明する。
 しかし、かりに豪州やNZがTPP11で対日輸出を伸ばしていれば現状を後退させるような見直し協議が実現するのかという疑問が出た。
 質疑ではそのほか一部は凍結されたものの制度としては維持されているISDSや、食品の安全性などについても問題が指摘された。日米間では新たな通商協議の場も設けられるなか、TPP、さらに日EU・EPAも含めて協定が持つ懸念について国会で十分審議する必要がある。

 

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