25年度生乳生産量756万トン Jミルクが需給見通し策定2013年1月30日
平成25年度の生乳生産量は、北海道は24年度に比べて増えるが、都府県は減り、トータルでは前年比5万t(0.6%)減の756万tになる見込みだ。日本酪農乳業協会(Jミルク)が1月28日、平成25年度の生乳・牛乳乳製品需給見通しを策定した。
24年度の生乳生産量は、震災の影響からの回復や、中央酪農会議が増産をめざした生乳計画生産対策を決めたこと、生産者への増産対策の推進などをうけて7年ぶりに前年比増となる見込みだが、25年産は再び前年を下回る。
北海道の生乳生産量は前年比1%増の397万tで増産基調が続くが、都府県は減少に歯止めがかからず同2.3%減の359万tとなる。
この生乳生産量から自家消費量5万8000tを差し引いた生乳供給量は750万2000t。うち牛乳等向け処理量は同1%減の398万1000tで、乳製品向けは24年産と同程度の352万1000tとなる。
牛乳等の生産量は同1.4%減の482万tだが、乳飲料やはっ酵乳の需要増を受けて、従来と比べて減少幅は小さくなっている。このうち牛乳の生産量は同1.5%減の300万5000t。はっ酵乳は同4.6%増の103万1000tと、引き続き需要がのびる見込みだ。
脱脂粉乳・バターはともに生産量が前年比減となり、消費量が供給量を上回るため民間在庫量は減る見通し。
脱脂粉乳は生産量が同0.4%減の13万6300tで、これに輸入量8200tを加えた14万4500tが供給量となるが、消費量が14万5300tで供給量を上回るため、在庫量は24年度末に比べて1.8%減り、4万2700t(3.6カ月分)となる。
バターは生産量が同0.4%減の7万100t、輸入量が4300tで供給量は7万4400t。消費量は7万6200tの見通しのため、在庫量は24年度末に比べて7.6%減の2万1800t(3.5カ月分)となる。

こうした需給見通しを踏まえた今度の課題と対応についてJミルクでは、生乳生産基盤の維持のため「新規就農や規模拡大の促進が急務」であり、また、政府のすすめる国産牛乳乳製品の需要回復・定着施策を踏まえて「需給が緩和しても減産しないですむような需給セーフティネット等の対策」に政府と業界が一体となって取り組むべきだとしている。
牛乳乳製品の需要拡大については、「はっ酵乳の需要増を一過性のものにしないため」の施策と、「牛乳の消費減退に歯止めをかけ、価値を反映した適正な価格形成が行われるよう業界が連携する」ことが必要だとしている。
(関連記事)
・「畜産物価格、大いに評価」 萬歳章・JA全中会長が談話 (2013.01.28)
・補給金単価などすべて引き上げ 平成25年度畜産物価格と関連対策 (2013.01.28)
・JA全中の畜酪対策 政策価格の引き上げ要請 (2013.01.18)
・生乳生産量760万トン、ほぼ前年並み Jミルクが24年度の需給見通し (2012.12.17)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(173)食料・農業・農村基本計画(15)目標等の設定の考え方2025年12月20日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(90)クロロニトリル【防除学習帖】第329回2025年12月20日 -
農薬の正しい使い方(63)除草剤の生理的選択性【今さら聞けない営農情報】第329回2025年12月20日 -
スーパーの米価 前週から10円上がり5kg4331円に 2週ぶりに価格上昇2025年12月19日 -
ナガエツルノゲイトウ防除、ドローンで鳥獣害対策 2025年農業技術10大ニュース(トピック1~5) 農水省2025年12月19日 -
ぶどう新品種「サニーハート」、海水から肥料原料を確保 2025年農業技術10大ニュース(トピック6~10) 農水省2025年12月19日 -
埼玉県幸手市とJA埼玉みずほ、JA全農が地域農業振興で協定締結2025年12月19日 -
国内最大級の園芸施設を設置 埼玉・幸手市で新規就農研修 全農2025年12月19日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】「経済関係に戦略性を持ち込むことなかれ」2025年12月19日 -
【農協時論】感性豊かに―知識プラス知恵 農的生活復権を 大日本報徳社社長 鷲山恭彦氏2025年12月19日 -
(466)なぜ多くのローカル・フードはローカリティ止まりなのか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月19日 -
福岡県産ブランドキウイフルーツ「博多甘熟娘」フェア 19日から開催 JA全農2025年12月19日 -
α世代の半数以上が農業を体験 農業は「社会の役に立つ」 JA共済連が調査結果公表2025年12月19日 -
「農・食の魅力を伝える」JAインスタコンテスト グランプリは、JAなごやとJA帯広大正2025年12月19日 -
農薬出荷数量は0.6%増、農薬出荷金額は5.5%増 2025年農薬年度出荷実績 クロップライフジャパン2025年12月19日 -
国内最多収品種「北陸193号」の収量性をさらに高めた次世代イネ系統を開発 国際農研2025年12月19日 -
酪農副産物の新たな可能性を探る「蒜山地域酪農拠点再構築コンソーシアム」設立2025年12月19日 -
有機農業セミナー第3弾「いま注目の菌根菌とその仲間たち」開催 農文協2025年12月19日 -
東京の多彩な食の魅力発信 東京都公式サイト「GO TOKYO Gourmet」公開2025年12月19日 -
岩手県滝沢市に「マルチハイブリッドシステム」世界で初めて導入 やまびこ2025年12月19日


































