担い手への定期訪問 着実に定着 JA全農2015年5月11日
「年間8.1回面談」TACの26年度活動実績
JA全農は、26年度のTACの活動実績をこのほどまとめた。
◆年間8.1回面談
地域農業の中核となる農業経営体や新規就農者(担い手)に対して、恒常的に出向く活動を通じて、担い手の要望に応じた情報提供や個別課題の解決に努め、担い手の満足度向上や信頼関係を深めながら、担い手の農業所得の向上とJAの事業を拡大する。さらに担い手の意見や要望をJA・JAグループとして共有化することで、その事業改善に反映させるのが、JAのTACの活動目的だ。
これを一言でいえば「とことん(T)あって(A)コミュニケーション(C)!!」という、TACのキャッチコピーになる。つまり、どれだけ頻繁に担い手を訪問して面談し、意見・要望を聞き、そこでだされた課題をいかに総合JAの各部門と経営トップを含めてで共有し、対応を協議して、担い手に返すことで、信頼関係を深めていくことができるかに、TAC活動の成否がかかっている。
それは、同じ担い手と年間に何回面談したのかと、JAの活動STEPがどの段階にあるかではかることができる。
今回、全農がまとめた26年度のデータによれば、訪問した担い手数は、9万6086経営体で、面談回数は77万4000回つまり1経営体に対する年間面談回数は8.1回となっている。
訪問経営体数は25年度に比べると1万ほど少ないが、これは訪問対象・体制を見直し、1経営体へ出向く体制を強化し、面談内容をより充実させることに力をいれた結果だ。その結果、1経営体との年間面談回数は、過去最高の8.1回となり、着実に担い手への定期訪問が定着してきていると、全農では分析している。
もう一つの指標であるJAの活動のSTEPは
STEP1:地域農業の担い手の明確化
STEP2:個別訪問と情報収集
STEP3:情報の分類と共有化(TACミーティングの徹底)
STEP4:施策の立案
STEP5:担い手への個別提案
STEP6:課題解決と経営の改善
この6段階のどのSTEPに到達しているかで判断される。
現在、こうした担い手対応のサイクルと情報の共有化を効率的に進めるツールである「TACシステム」を導入しているJAは、全国JAの4割にあたる274JA(TAC人数1819人)だが、26年度にSTEP5・6に到達しているJAは71%と25年度より21.9%も増加し、着実にステップアップがはかられてきている。
TAC活動が着実にステップアップしているJAでは、昨年12月に開催された「TACパワーアップ大会2014」で全農会長賞を受賞した岩手県のJA新いわてををはじめとする表彰JAの報告にもあるとおり、JAの事業が確実に前進している。
これらのJAの報告を一言でまとめれば「TACがハブ機能となり、JAグループの総合力を発揮した部門間連携によって、多彩な内容に取り組んでいる」ということになる。
全農では、27年度には担い手への対応をさらに着実に高めていくために、STEP5・6到達JAの割合を8割にまで高めていきたいとしている。
いま、「農協改革」の名の下に、農協への攻撃が強まってきている。本紙では「地域再生の主役は農業協同組合」を本年度のテーマに設定しているが、農業協同組合が真の主役になるために、TACに果たす役割はますます重要になってきているのではないだろうか。
(関連記事)
・「ひろがれ弁当の日」参加者募集 JA全農 (2015.05.08)
・JA全農がチビリンピックに今年も特別協賛 (2015.04.27)
・ロンドンに和食レストラン出店 JA全農 (2015.04.22)
・和食会議が本格始動 普及・啓発に力 (2015.04.22)
・JAと連携し資材費削減 JA全農 (2015.04.16)
重要な記事
最新の記事
-
地域複合農業戦略に挑む(2)JA秋田中央会会長 小松忠彦氏【未来視座 JAトップインタビュー】2024年4月19日
-
農基法改正案が衆院を通過 賛成多数で可決2024年4月19日
-
【注意報】さとうきびにメイチュウ類 伊是名島で発生多発のおそれ 沖縄県2024年4月19日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:JA水戸 那珂川低温倉庫(茨城県) 温湿度・穀温 適正化徹底2024年4月19日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ対策を万全に 農業倉庫基金理事長 長瀬仁人氏2024年4月19日
-
食農教育補助教材を市内小学校へ贈呈 JA鶴岡とJA庄内たがわ2024年4月19日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第97回2024年4月19日
-
(380)震災時は5歳【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年4月19日
-
【JA人事】JA道北なよろ(北海道)村上清組合長を再任(4月12日)2024年4月19日
-
地拵え作業を遠隔操作「ラジコン式地拵機」レンタル開始 アクティオ2024年4月19日
-
協同組合のアイデンティティ 再確認 日本文化厚生連24年度事業計画2024年4月19日
-
料理酒「CS-4T」に含まれる成分が代替肉など食品の不快臭を改善 特許取得 白鶴酒造2024年4月19日
-
やきいもの聖地・らぽっぽファームで「GWやきいも工場祭2024」開催2024年4月19日
-
『ニッポンエール』グミシリーズから「広島県産世羅なしグミ」新発売 JA全農2024年4月19日
-
「パルシステムでんき」新規受付を再開 市場の影響を受けにくい再エネ調達力を強化2024年4月19日
-
養分欠乏下で高い生産性 陸稲品種 マダガスカルで「Mavitrika」開発 国際農研2024年4月19日
-
福島県産ブランド豚「麓山高原豚」使用『喜多方ラーメンバーガー』新発売 JAタウン2024年4月19日
-
微生物農業資材を用いた大阪産の減肥料栽培で共同研究開始 ナガセケムテックス2024年4月19日
-
栃木県真岡市産バナナ「とちおとこ」使用「バターのいとこ」那須エリア限定で新発売2024年4月19日
-
大阪泉州特産「水なす」農家直送で提供開始「北海道海鮮にほんいち」2024年4月19日