「農業改革、猪突猛進で」vs「ワナにかからないように」-ジビエ料理で小泉氏と奥野会長ら応酬2016年10月13日
東京・大手町のJAビル4Fの農業・農村ギャラリーで開催されている「恵みの大地 信州ジビエ×農産物」のパネル展示に、10月6日、自民党の小泉進次郎農林部会長が視察に訪れた。また、同日夜にはJAグループなど関係者による試食会が開かれ自民党のジビエ議連会長の石破茂前地方創生担当相らも参加した。
今回のパネル展示では深刻化する農産物への鳥獣害の実態とともに、山で処理できる移動式解体処理車(ジビエカー)やJA長野県グループの取り組みが紹介されている。同県では今年6月から一部のAコープ店でシカ肉などを販売している。
小泉部会長は、雨宮勇JA長野中央会会長から「足くくり罠」の説明を聞き、またジビエカーを製造した長野トヨタ自動車の西澤久友部長の話にも耳を傾けた。ジビエカーをトヨタが造ったと知ると「トヨタがトラクターやコンバインを作ればいい。競争のない農機業界の新規参入をどうするか考えている。そうか、農業機械にトヨタを。実に分かりやすい」などとはしゃぎ気味に話していた。
その後、全中の奥野長衛会長、雨宮会長とJAビル地下にあるJA全農の直営レストラン「ラ・カンパーニュ」へ。シェフでNPO法人日本ジビエ振興協議会の藤木徳彦理事長からジビエカーで捌いたシカ肉などの説明を受けて試食、「本当においしい。まったく臭みがない。長野の山の味がしますね」などとしばし懇談。
懇談の最後、「農業改革もシカのように軽やかに、イノシシのように猪突猛進、まっしぐらにがんばるエネルギーをもらいました」と小泉部会長。奥野会長がこれにはすかさず「ワナにかからんように...」、さらに雨宮会長も「できるだけ私どももワナにかからないように、と」と返すと、小泉氏は「うまいなあ。これがまさに農業改革にさまざまに立ちはだかる猛者たちの現れですね」などと応酬。
雨宮会長は「やるべきことはやろうと思っている。地域の組合員のみなさんにとって、今までは、あってよかった農協だったが、今後は、なくては困る組織として認識してもらうことが重要。ぜひご理解を」と締めた。
◇ ◇
同日夜の試食会には石破茂自民ジビエ議連会長も参加し「ここ数年でジビエが広まった。解体処理車もできて、今後、何を食べてもおいしいとなればもっと広まる。自然の恵みを生かして将来は山が元に戻っていくような農林水産業でありたいし、その一翼を担っていきたい」などと話した。
この展示会は10月末まで行われている。
(写真)JA長野中央会の雨宮会長から説明を受ける小泉農林部会長。自民党ジビエ議連会長のの石破茂氏と事務局長の小里泰宏氏も視察に訪れた。ジビエカーで捌いたシカ肉のステーキ。シカの骨を赤ワインで煮込んだソースをかけている。
(ジビエの関連記事)
・家庭で鹿肉料理 調理ポイントを紹介 日本ジビエ振興協議会 (16.10.13)
・ジビエにあう長野の果物販売 ミノーレ (16.10.12)
・ジビエの現在を展示 10月ミノーレ (16.10.03)
・飲食店向けジビエセミナー開く (16.09.02)
・移動式解体処理車が稼働へ-日本ジビエ振興協議会 (16.08.15)
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】とうもろこしにアワノメイガが多誘殺 早めの防除を 北海道2025年7月1日
-
【人事異動】農水省(7月1日、6月30日付)2025年7月1日
-
作況指数公表廃止よりもコメ需給全体の見直しが必要【熊野孝文・米マーケット情報】2025年7月1日
-
【JA人事】JA岡山(岡山県)新会長に三宅雅之氏(6月27日)2025年7月1日
-
【JA人事】JAセレサ川崎(神奈川県)梶稔組合長を再任(6月24日)2025年7月1日
-
【JA人事】JA伊勢(三重県) 新組合長に酒徳雅明氏(6月25日)2025年7月1日
-
米穀の「航空輸送」ANAと実証試験 遠隔地への迅速な輸送体制構築を検証 JA全農2025年7月1日
-
JA全農「国産大豆商品発見コンテスト」開催 国産大豆を見つけて新商品をゲット2025年7月1日
-
産地直送通販サイト「JAタウン」新規会員登録キャンペーン実施2025年7月1日
-
7月の飲食料品値上げ2105品目 前年比5倍 価格改定動向調査 帝国データバンク2025年7月1日
-
買い物困難地域を支える移動販売車「EV元気カー」宮崎県内で運用開始 グリーンコープ2025年7月1日
-
コイン精米機が農業食料工学会「2025年度開発賞」を受賞 井関農機2025年7月1日
-
「大きなおむすび 僕の梅おかか」大谷翔平選手パッケージで発売 ファミリーマート2025年7月1日
-
北海道産の生乳使用「Café au Laitカフェオレ」新発売 北海道乳業2025年7月1日
-
非常事態下に官民連携でコメ販売「金芽米」市民へ特別販売 大阪府泉大津市2025年7月1日
-
農作物を鳥被害から守る畑の番人「BICROP キラキラ鳥追いカイト鷹」新発売 コメリ2025年7月1日
-
鳥取県産きくらげの魅力発信「とっとりきくらげフェア」開催 日本きのこセンター2025年7月1日
-
鳥インフル 英国チェシャ―州など14州からの生きた家きん、家きん肉等 一時輸入停止措置を解除 農水省2025年7月1日
-
新潟県長岡市から産地直送 フルーツトマト「これトマ」直送開始 小海工房2025年7月1日
-
埼玉県毛呂山町、JAいるま野と包括連携協定を締結 東洋ライス2025年7月1日