衛星画像から田植機の肥料散布を自動制御 JA全農とクボタ、BASFがシステム連携 石川県で実証試験2023年5月16日
JA全農とクボタ、BASFジャパンは5月15日、JA全農とBASFが進める栽培管理支援システム「ザルビオフィールドマネージャー」と、クボタの営農・サービス支援システム「KSAS(ケーサス・クボタスマートアグリシステム)」を連携させた実証試験を石川県で始めたと発表した。人工衛星の画像からほ場の生育のばらつきをAIで解析して田植機からの肥料の散布量を自動的に調節する仕組みで、試験結果を評価したうえで2024年のリリースを目指している。
石川県で行われた実証試験の様子
JA全農とBASFが普及を進める「ザルビオフィールドマネージャー」は、衛星画像とAI解析によって生育の予測など最適な栽培管理を支援するシステムで、画像解析で生育状況を見える化し、場所ごとに施肥量を調節する「可変施肥マップ」を作成することができる。
一方、クボタの「KSAS」は、電子地図を使って作付計画の作成やほ場ごとの作業状況などを管理するシステムで、作物・作業情報の見える化を通して質の高い農作物の生産をサポートしているが、施肥作業を調節する「可変施肥マップ」は、生産者の経験による感覚などで作成されていた。
ザルビオフィールドマネージャーで作成した可変施肥マップ(左図)をKSASに取り込んだイメージ(右図)
今回の両システムの連携により、衛星画像をもとに作成された「可変施肥マップ」が、USBメモリーなどを介さず直接、クボタのKSAS対応田植機にデータ移行できることになった。
実証試験は、石川県の白山市と津幡町の2か所のほ場で始まり、5月に田植えが行われた。今後、周辺のほ場との収量の差やユーザーによる機能や操作性の評価も行ったうえで、2024年春に連携機能の正式リリースを予定している。
国内の農業をめぐっては、生産者の減少や高齢化に伴う農地集積により経営規模が拡大する傾向にあり、スマート農業の導入が生産現場に不可欠となっている。JA全農などは、実証試験の結果を踏まえて田植機以外の可変施肥対応農機への展開も検討することにしている。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(155)-改正食料・農業・農村基本法(41)-2025年8月16日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(72)【防除学習帖】第311回2025年8月16日
-
農薬の正しい使い方(45)【今さら聞けない営農情報】第311回2025年8月16日
-
(448)郷愁とノスタルジー【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年8月15日
-
あらゆる暴力の即時停止を 被爆・戦後80年にメッセージ発表 パルシステム連合会2025年8月15日
-
京都府「第3回京のこだわり畜産物レシピコンテスト」開催2025年8月15日
-
「パンのフェス2025」三井アウトレットパーク木更津で9月に開催2025年8月15日
-
機械審査なし「お米番付12回大会」エントリー開始 八代目儀兵衛2025年8月15日
-
東京23区の住民 過去1年間に森林を訪れたのは3人に1人 森林総研2025年8月15日
-
【サステナ防除のすすめ2025】秋冬野菜の病害虫防除 異常気象こそ先手対応を2025年8月14日
-
見なくなった案山子、燕・雀・烏【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第353回2025年8月14日
-
花がよく売れるお盆・彼岸から見えてくる花産業の問題点【花づくりの現場から 宇田明】第66回2025年8月14日
-
渡り鳥「キビタキ」「ノビタキ」越冬地との間の移動経路を明らかに 森林総研2025年8月14日
-
国産・添加物削減・減農薬にこだわり「デポー国領駅前」リニューアルオープン 生活クラブ生協2025年8月14日
-
果実のフードロス削減・農家支援へ「キリン 氷結 mottainai 浜なし」再登場2025年8月14日
-
【役員人事】バイエル(9月1日付)2025年8月14日
-
「地元で働きたい」に応える 地域限定採用で安定雇用も実現 パルシステム埼玉2025年8月14日
-
政府の「米増産」方針 立ちはだかる「壁」と拭えぬ不安 産地JAと米農家の声2025年8月13日
-
【サステナ防除のすすめ2025】果菜類(施設)編 太陽熱で死滅狙う(1)2025年8月13日
-
【サステナ防除のすすめ2025】果菜類(施設)編 太陽熱で死滅狙う(2)2025年8月13日