全国紙世論調査 食料輸入増加に7割が不安2013年4月19日
安倍首相によるTPP交渉参加表明後に全国紙などが世論調査を実施している。その結果はTPP交渉参加表明を評価するとの回答が6割近くを占めている。しかし、回答を詳細に見ていくと国民に対して情報提供が不足しているとの声や、食料を外国に頼る割合が増える可能性が高まるのは不安との声が7割から8割にも達している。JAグループはこうした声をふまえて国民の理解と共感を得る運動を強化していく方針を改めて重視していく。
JA全中は安倍首相の交渉参加表明後に行われた全国紙の世論調査結果を分析している。
調査結果によると交渉参加表明を評価するとした声はもっとも低い『読売』調査でも60%となっており、この設問だけをみると支持する声が過半を占める。
ところが「TPP参加のメリット、デメリットについて政府は国民に十分に情報提供していると思うか」との『産経』調査では「思わない」が79.9%を占めた。また同じ調査で「TPPで食料を外国からの輸入に頼る可能性があることに不安を感じるか」との質問には「不安に感じる」が66.9%となっている。 ほかにも『読売』調査のTPPに参加する場合に農産物の一部については「自由化の例外とすべきと思うか」については「例外とすべき」が62%、『朝日』調査のTPPに参加することで「食品の安全基準が下がるか不安を感じるか」では「感じる」が71%だった。国民皆保険制度への悪影響を心配する声も多い。
JA全中はこうした分析からTPP交渉参加についての国民の意識は「必ずしも単純な賛否で判断することはできない」としている。TPPの本質が理解されないまま、表面的に賛否だけに応え、一方、個々の問題となるとさまざまに不安がよぎる、という人々が多いことがうかがえる。
また、地域差も大きい。
『日経』調査では、首都圏と関西圏の大都市では賛成60%、反対22%だが、それ以外の地域では賛成43%、反対33%となっている。 10日に行われたTPPに反対する大学教員の会との意見交換会に出席したJA全中の小林寛史農政部長はこうした分析を報告、世論調査結果を「悲観的に6割の人がTPP参加表明を評価していると受け止めるのではなく、中身をよく点検し国民の思いをよく分析して運動を展開していくこと必要がある。JAグループの今後の運動目標はTPPは農業だけの問題ではないことを広く訴えること。各界各層と広く連携をしていく必要がある」と強調した。
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