豪雪の農業被害668億円 JA全中調査2014年2月28日
豪雪による農業被害額はJAグループのまとめによると2月25日時点で668億円に達している。調査中の県もあり、被害額はさらに増加する見込みだ。離農者も出かねない状況で、JAグループは「平成26年豪雪災害対策本部」を設置して、経営再建に向けた金融支援や施設復旧、生産資材の確保など独自の支援策を実施していく。
◆ハウス被害が甚大
対策本部は2月20日付けで設置。連日、JAグループとしての支援策の検討と被災地の状況把握に努めている。
今回の豪雪被害は広範囲に及んでいることから、全県で被害状況調査を行うとともに、被害の甚大な県には全中が職員を派遣するなど、個別に被害状況の調査・把握を継続している。
2月25日時点での農業被害額は、
▽宮城県 4億円
▽福島県 10億円
▽茨城県 11億円
▽栃木県 70億円
▽群馬県 247億円
▽埼玉県 229億円
▽千葉県 19億円
▽東京都 3億円
▽神奈川県 4億円
▽山梨県 71億円
で合計668億円に達している。長野県や静岡県でも被害が出ているが現在調査中だ。
今回の豪雪では、とくにハウス等の農業用施設の被害が大きく再建の大きな障害となっている。現状では経営再建の見通しが立たず、被災農業者の経営・生活に大きな不安を与え離農者も出かねない状況にあるという。
◆震災並みの支援実施
そのためJAグループの中央本部としても、各県の要望もふまえて関係省庁に働きかけを行うとともに、県やJA単位では対応が困難になっている事態のため、全国段階として国や行政が対応できない部分を中心に組織の総合力を発揮して東日本大震災時並みの支援を検討・実施することにしている。
第一弾として以下のような支援策を実施している。▽営農再開に向けた施設復旧・生産資材確保の支援(水稲育苗など、復旧が優先されるハウスなどへの他地域からの資材の調達、パイプハウス資材の緊急増産に向けたメーカーとの協議、供給計画の策定)▽十分な金融支援(JAバンクによる融資相談窓口設置、借入金の返済猶予、全国・県域との連携による生活・復興資金等の無利息融資、農業法人への出対応)▽迅速な共済の対応▽ハウス撤去などにかかわるボランティアの派遣▽JAグループ全国募金の実施▽甚大な被害県への見舞金の早期贈呈▽被災地の状況や営農再開に向けた取り組みなどの情報発信。
(関連記事)
・台風・竜巻への不安高まる 地球温暖化の影響(14.02.26)
・営農継続へ支援 農水省の豪雪被害対策(2014.02.25)
・農業ハウス1万4000損壊 大雪被害(2014.02.25)
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日