「米作って、飯くえねえ」 農民連が抗議2014年9月19日
今年産米の米価暴落の対策を求める農民連盟全国連合会(農民連)は18日、東京で集会を開いた。「米作って、飯くえねえ 9・18中央行動」と銘打った集会では、低米価をまねいた政府の政策に抗議するとともに、国民の主食である米の需給と価格の安定に責任を持つ米政策の実現を政府に求めた。
全国から約200人の生産者が参加。農水省正門前の集会では、白石淳一・農民連会長が、今年産米の価格暴落に対する政府の無策を講義。「40数年前の価格水準になっているのに、燃料代など生産コストは高騰している。これになんら対策をとらない政府は異常だ。過剰米隔離など、過去にも実施しており、やる気があればできるはずだ」と早急な政府の対策を求めた。
決意表明で、島根県の米プラス繁殖和牛農家の長谷川敏郎さん(57)は、「ことしの概算払いは60kgで9000円。昨年より3000円少ない。日照時間は平年の28%で、水田がぬかるみ、コンバインが故障して途方にくれている農家もある。農機のローンの支払もある。カットした経営安定対策の7500円分でも補てんして欲しい」と訴えた。 このほか、岩手や千葉、福岡県からの参加者が、「国民が安心して米を食べられる農業を守りたい」、「地方創生を言うのなら、なぜ米作りのできない政策をとるのか」、「国民の食料需給に責任を」などと抗議し、政府の対策を求めた。
集会後、衆議院第1議員会館で農水省と交渉。西川公也・農水大臣に対し「米価暴落対策に関する要請」書を渡した。その中で、[1]農水省は、米の価格と流通の実態を真剣に受け止め、実態調査を実施する、[2]過剰米の市場隔離を官民あげて実施する。途上国等への支援、古い備蓄米の更新など、あらゆる対策を講ずる、[3]生産調整の5年後の見直し(廃止)方針を撤回し、政府が主食である米の需給と価格の安定に責任を持つ米政策を実現することと、具体的な対策を求めた。
(写真下)
農水省に怒りのこぶしを上げる集会参加者
(関連記事)
・複数年産米コメ市場の設立へ 国産米使用推進協(2014.09.18)
・26年産米 作柄に注視必要(2014.09.17)
・米価低迷に危機感 萬歳JA全中会長(2014.09.05)
・26年産米 卸間取引で1万円前後 取引会結果(2014.09.01)
・早場地帯の作柄「良」か「平年並み」26年産米(2014.08.28)
重要な記事
最新の記事
-
新品種から商品開発まで 米の新規需要広げる挑戦 農研機構とグリコ栄養食品2025年5月1日
-
春夏野菜の病害虫防除 気候変動見逃さず(1)耕種的防除を併用【サステナ防除のすすめ2025】2025年5月1日
-
春夏野菜の病害虫防除 気候変動見逃さず(2)農薬の残効顧慮も【サステナ防除のすすめ2025】2025年5月1日
-
イモ掘り、イモ拾いモ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第338回2025年5月1日
-
地元木材で「香りの授業」、広島県府中明郷学園で開催 セントマティック2025年5月1日
-
大分ハウスみかんの出荷が始まる 大分県柑橘販売強化対策協議会2025年5月1日
-
Webマガジン『街角のクリエイティブ』で尾道特集 尾道と、おのみち鮮魚店「尾道産 天然真鯛の炊き込みご飯」の魅力を発信 街クリ2025年5月1日
-
5月1日「新茶の日」に狭山茶の新芽を食べる「新茶ミルクカルボナーラ」 温泉道場2025年5月1日
-
「越後姫」食育出前授業を開催 JA全農にいがた2025年5月1日
-
日本の米育ち 平田牧場 三元豚の「まんまるポークナゲット」新登場 生活クラブ2025年5月1日
-
千葉県袖ケ浦市 令和7年度「田んぼの学校」と「農作業体験」実施2025年5月1日
-
次世代アグリ・フードテックを牽引 岩手・一関高専から初代「スーパーアグリクリエーター」誕生2025年5月1日
-
プロ農家が教える3日間 田植え体験希望者を募集福井県福井市2025年5月1日
-
フィリップ モリス ジャパンとRCF「あおもり三八農業未来プロジェクト」発足 農業振興を支援2025年5月1日
-
ビオラ「ピエナ」シリーズに2種の新色追加 サカタのタネ2025年5月1日
-
北限の茶処・新潟県村上市「新茶のお茶摘み体験」参加者募集2025年5月1日
-
「健康経営優良法人2025」初認定 全農ビジネスサポート2025年5月1日
-
「スポットワーク」活用 農業の担い手確保事業を開始 富山県2025年5月1日
-
「Hiroshima FOOD BATON」食のイノベーションに挑戦する事業者を募集 広島県2025年5月1日
-
「良き仲間」恵まれ感謝 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(1)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日