JA串間市大束「ヤマダイかんしょ」、JAいわでやま「岩出山凍り豆腐」がGI登録2018年8月8日
農林水産省は8月6日、新たに4つの農林水産物を地理的表示(GI)として登録したと発表した。
地理的表示保護制度は、地域で長年育まれた特別な生産方法によって、高い品質と評価を獲得している農林水産物や食品の名称を品質基準とともに国に登録、知的財産として保護する。
今回の4品目で66品目が登録された。
このうち「南郷トマト」は、福島県南会津町、只見町、下郷町が生産地で南郷トマト生産組合が申請した。京浜地区の青果市場で夏秋トマトの取扱量の上位を占める福島県産のなかでも評価が高く、平均価格が1割程度高いという。
産地は昼夜の気温差が大きく、夏秋トマトの栽培に好適な自然条件となっている。雨除け栽培や共同選果体制の確立、雪室予冷庫の整備など組織的取り組みが品質の安定・向上につながっており、40年以上にわたって年間2000tを超える生産を続けてきた。福島県産品のGI登録は初めて。
宮崎県のJA串間市大束が申請者となって登録したのは「ヤマダイかんしょ」。ホクホクとした食感と上品な甘さ、鮮やかな紅色とていねいなひげ根処理による美しい外観が特徴。串間市は温暖で日照時間が長く、水はけの良い火山灰地でもあり、さつまいもの栽培適地となっている。
周年出荷のための独自の越冬貯蔵方法を確立したほか、厳格な選別の実施などに昭和40年代から取り組み、全国有数の青果用かんしょ産地へ成長し、最近は輸出にも取り組む。
宮城県のJAいわでやまが申請者となって登録したのは「岩出山凍り豆腐」。生産地は大崎市岩出山。独自の製法で雑味が少なく大豆の風味が豊か。郷土料理に欠かせない伝統的な具材として重宝されている。産地は乾いた厳しい寒さにさらされるが風は強くなく、湿気や強風を嫌う豆腐づくりに適する。明治期の記録にも残る地域の伝統産業で現在、5戸の生産者により年間約10万袋(20枚入り換算)を生産している。
(一社)岩手県木炭協会が申請して登録されたのは「岩手木炭」。炭素割合は概ね90%と高い(全国規格は75%以上)。燃焼時の煙や炎、臭いが最小限に抑えられる。岩手県は大正元年に木炭生産量日本一の地位を確立。その後も昭和30年代に「岩手窯」を独自に開発するなど、地域で木炭産業を守ってきた。
(関連記事)
・【JA新代表に聞く】第5回 渡邊博康・JA串間市大束代表理事組合長(18.07.05)
・「山形セルリー」を地理的表示(GI)登録 JA山形市(18.04.10)
・本物の「八丁味噌」は? GI登録で不服審査請求(18.03.19)
・「水戸の柔甘ねぎ」GI登録 生産部会が栽培・品質管理 JA水戸(18.02.08)
・入善ジャンボ西瓜など地理的表示(GI)に新たに10品目(17.12.19)
・【一品厳選】[13]南郷トマトジュース(14.06.25)
重要な記事
最新の記事
-
【現地レポート・JAの水田農業戦略】新たな輪作で活路(2)子実コーンの「先駆者」 JA古川2024年3月29日
-
農業者所得増加へデジタルビジネス加速 農林中金 中期ビジョンを策定2024年3月29日
-
「子ども世代に農業勧めたい」生産者の2割 所得向上が課題 農林中金調査2024年3月29日
-
東京・大阪で組合長らが 「夢大地かもと」スイカをPR JA鹿本2024年3月29日
-
全国から1,000名を超える農業の担い手が集う 「第26回全国農業担い手サミットinさが」開催 佐賀県2024年3月29日
-
家族みんなで夏の農業体験はじめよう 食農体験イベント「土袋でデコきゅうり」開催 JA兵庫六甲2024年3月29日
-
(377)食中毒1万人は多いか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年3月29日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第96回2024年3月29日
-
【人事異動】全国農業会議所(4月1日付)2024年3月29日
-
品種で異なるメロンの味わいを体験 自由が丘「一果房」で29日から 青木商店2024年3月29日
-
第160回勉強会「レジリエントな植物工場運営・発展に向けて~災害からの復旧・復興事例から学ぶ」開催 植物工場研究会2024年3月29日
-
創立55周年記念 ガーデニング用 殺虫・殺菌スプレーなど発売 住友化学園芸2024年3月29日
-
「核兵器禁止条約」参加求める26万の署名 藤沢市議会が意見を採択 パルシステム神奈川2024年3月29日
-
尾鷲伝統の味「尾鷲甘夏」出荷開始 JA伊勢2024年3月29日
-
令和6年能登半島地震 被災地農家を応援 JA全農石川へ寄付 KOMPEITO2024年3月29日
-
林木育種センター九州育種場 九州育種基本区の「スギエリートツリー特性表」公表 森林総研2024年3月29日
-
農業フランチャイズのクールコネクト シードラウンドで3200万円を調達2024年3月29日
-
鳥インフル 米メイン州からの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年3月29日
-
畜産施設の糞尿処理で悪臭対策 良質な堆肥化を促進 微生物製剤を開発 B・Jコーポレーション2024年3月29日
-
水田のスマート水管理で東大大学院農学生命科学研究科と共同研究開始 ほくつう2024年3月29日