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自給率目標 達成に向け定期的に課題検証を 基本法検証部会2023年5月2日

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食農審基本法検証部会は4月28日、基本計画と食料安全保障の確保体制、行政機関や団体の役割をテーマに開き、農水省が示した今後の政策の見直し方向について議論した。基本計画では食料自給率目標のほか、いくつかのKPI(重要業績評価指標)を設定し、PDCAサイクルを回して目標達成状況を検証する仕組みを導入する。その検証について農水省は従来どおり5年としたが、委員からは「5年は長い」との指摘が相次いだ。また、「農業者」の定義を明らかするよう求める意見もあり、今後の焦点のひとつとなる。

基本法検証部会230428.jpg

4月28日に開かれた基本法検証部会

農水省は食料安全保障を実現するため、世界の食料供給能力やわが国の食料供給などテーマを設定し、現状を把握、課題を明確にして具体策を立て、その施策の有効性を評価するいくつかのKPI(重要業績評価指標)を設定するよう基本計画を見直す考えを示した。

たとえば、肥料の安定供給という課題については、世界的な需要の増大のなか資源は特定国に偏在しているという現状分析のもと、資源外交や備蓄、国内資源の活用といった施策を実施する。それらの施策が有効に実施されたかどうかは、肥料の輸入依存度が低下したかどうかで評価する。

こうした施策の有効性の検証について農水省は従来と同じ5年に1回との考えを示したが、委員からは情勢は日々変わっており「5年は長い」との意見が相次ぎ、英国が3年ごとに検証しているとの指摘や、最近では平時でも品不足の品目が出ていることをふまえ1年ごとにモニタリングしていくべきとの意見や、「年に4回検証してもいい」など食料をめぐる情勢変化に迅速に対応すべきと多くの委員が強調した。

一方、今回の見直しは「平時」から食料安全保障の確立に努め、「不測時」にも対応するという考えだが、「不測時とは何か、不測時に何をすべきか」を明確する必要性も指摘された。

農水省は凶作や輸入の途絶などで需給が相当の期間ひっ迫するおそれがあるなど不測時の定義は基本法にあるとするものの、緊急事態宣言を発令するような法律はないことから、これを明確化し政府全体で対応する体制整備を今回の基本法見直しで行う考えを示した。


委員からは不測時に農業者への増産の指示、その実施にともなう収入の補てん、さらにゴルフ場、河川敷などの農地転用の仕組み構築のほか、不測時に国がどの水準で食料供給を確保するのかなど整備すべき課題が指摘された。

一方、農産物の輸入リスクが高まるなか国産生産を増大する必要性は高まっているものの、肥料やエネルギーなど食料自給率に反映されない生産資材などの安定供給も課題になっていることから、基本計画では食料自給率目標だけでなく、新たな課題に適した数値を目標も設定する考えも示した。飼料の海外依存度を反映しない食料国産率なども想定される。

委員からも「自給率は分かりやすいが、それだけで国民とコミュニケーションをするとミスリードになる。複数の指標が必要」(二村日生協常務)との意見が出る一方、「自給率さえ達成できていないのに新しい指標を入れることがいいのか。達成できなければ行政不信となる」(合瀬アグリフューチャージャパン理事長)との異論も出た。

自給率目標については「平時」の目標であり、「現在の飽食が前提。その数字を上げることは疑問。不測の事態への対応力を高めることにならない。冷静な議論が必要」(真砂TH総合法律事務所特別顧問)との批判もあり、自給率がどういう意味を持つか、とくに不測時への備えとして何を指標とするかも今後課題となりそうだ。

行政機関や農業団体の役割については、フードシステムを機能させるため川上から川下までの垂直的な組織を形成し、適正な価格形成や、需要に応じた生産、輸出促進などに取り組みを仕組みを検討すべきと農水省は提起した。

また、農業者については、コスト構造の把握など経営管理の向上への努力、消費者については環境負荷を低減させた農産物や農村についての理解などを通じて食料消費への積極的な役割を果たすことなどを基本法に盛り込みほか、食品産業など関係事業者も農業の現場と消費者を結ぶことから役割を書き込むことを提起した。

委員から指摘があったのは「農業者」の定義。現場では農業後継者だけでなく新規参入者や雇用農業従事者、さらに半農半X、農業関係人口まで広がっている。委員からは「若手や経営規模など未来を見て特化して支援することも必要。そういう農業者にしっかりコミットしていくことを明確にする必要がある」(山浦全国農業青年クラブ連絡協会長)との意見も出たが、一方では農業生産の現場では一部の農業者だけでは支えきれないとして多様な担い手として位置づけるべきとの指摘もある。

中嶋部会長は農業者の定義は「重要な論点」と強調、今後、たとえば環境支払いなどの施策検討をする際の「クロスコンプライアンス(を求める対象者)の議論にもつながってくる」としてさらに議論が必要との認識を示した。

そのほか審議会のあり方について「この10年間の農政は官邸でほぼ決まり、審議会はそれを認めてきた」(合瀬委員)のが実態だとして、政策の一貫性からは「審議会の意見を受け止めて、政策に反映させるプロセスを大事にしなければならない」(同)と、今回の基本法見直しを契機に政策決定プロセスを改めて見直す必要性も浮き彫りになった。

5月19日から中間とりまとめに向けた議論に入る。

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