生産資材:第34回国際農業機械展
無人ロボ、ドローンに関心 国際農業機械展in帯広2018年8月9日
今回で34回目を迎える農業機械展は、昭和22年帯広市の十勝会館前広場で開かれた「自由市場交換即売会」に始まる。その後「畜力農機展示会」、「全道農業機械展」、昭和42年の第19回には「全国農業機械展」となって次第に規模が拡大し、全国から多数の来場者が来るようになった。
◆130社・団体が出展
(写真)延べ20万人の来場者で賑わった
昭和58年の第25回からは、4年ごとに開催することになり、平成14年の第30回から「国際農業機械展in帯広」として、世界を視野に置いた、文字通り国際展示会となり、海外からの出展も増えた。
平成22年に予定していた前々回の第32回農機展は、口蹄疫の発生で延期したが、その翌年には東日本大震災の発生でできなくなり、結局中止となった経緯がある。8年ぶりに開かれた前回の33回は119社・団体が出展し、期間中、延べ約20万人が来場したが、今回は、それを上回る130社が出展し、期間の前半は雨模様の天気だったが、前回を上回る来場者があった。
この農業機械展は4年に一度開かれ、時代の最先端をいく農業機械が出展される。今年のサブタイトルは「ICTとともに更なる未来へ 」。会場の北愛国交流広場特設会場には、ICT(情報・通信技術)を使ったトラクターや外国製の大型収穫機などが出展され、北海道内だけでなく、本州からも多くの来場者があった。
◆労働力不足の解消に
農業機械展はホクレン農協連合会、(一社)北海道農業機械工業会、十勝農業機械協議会が主催。それに特別協力団体として十勝地区農協組合長会が加わっている。開催委員会の有塚利宣会長(十勝農協連合会会長)はあいさつで、日本の農業は国際的な競争力への対応が喫緊の課題になっていることを挙げ、「高齢化や担い手不足、耕地面積拡大に対応し、安全・安心な食料を安定的に生産する農業確立のため、農業機械への期待が高まっている」と、農業機械の重要性を強調した。
◆無人化・効率化で進化
今回の機械展で注目された農機にロボットトラクターがある。農機メーカーなど8社が出展した。労働力が不足するなかで、大規模な面積の作業を効率よくこなすには、そのつどアタッチメントを取り替えるよりは、複数のトラクターで同時に異なった作業を行う方が効率がよい。有人機で無人機2台を動かすトラクターが注目された。
また農業利用が増えているドローンの出展が多かった。ほ場の空撮画像で生育状況を診断し、そのデータをインターネット上で共有し、作業手順や労力配分などに活用するシステムが紹介された。また農薬散布などの作業では、障害物の手前で機体が停止するレーダーを備えるなど、作業性や操作性を高めたドローンが関心を引いた。
労働力不足の酪農家にとって、毎日の搾乳作業は大きな負担になる。農機展では搾乳ロボットが注目された。この分野では海外のメーカーが強く、ドイツ、オランダ、スエーデン、などの最新の搾乳ロボットが展示された。従来のレーザー方式の乳頭検知を3Dカメラで行うシステムや、スマートフォンやモバイル端末などで、牛群や個体ごとのデータ、搾乳ロボットの状態を監視できる技術などが来場者の注目を集めた。
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