元気な産地づくりを実現 JA全農2014年4月17日
JA全農は4月9日、マスコミ向けに平成26年度事業説明会を開催した。
◆全農は協同組合組織
この日は一部朝刊で、政府が農協法を改正し、JA全農を株式会社化する方針を固めたとの報道があり、この問題への質問が多かった。成清一臣理事長は「株式会社と協同組合では、そもそも組織理念が異なる」。全農は農協法下の協同組合組織であり「株式会社法下の組織になるなることは自ら考えることではない」と指摘した。
また、欧米では協同組合が株式会社化している例があるとの指摘について「欧米では市場から資金調達をする」ためで、全農の場合は「農林中金による出資などで、必要な資金は賄える」ので、資金面からも株式会社化する必要はないと語った。
(写真)
会見で記者からの質問に答える成清理事長
◆生産現場に一歩踏み込んで
26年度は25年度から実践している「中期3か年計画」の中間年だ。従来はJAを「補完する」ことが全農の役割だったが、この3か年では、生産現場に「一歩踏み込んで、元気な産地づくりの実現に向けて」、全農として「地域生産振興策を地域ごとに策定し」25年度から一部で実践に入っている。
今年度は、▽担い手対応の強化、▽実需者ニーズに即した産地づくりの視点から地域生産振興策の「さらなる深化」をはかり、「JA・県域を超えてノウハウを共有」しながら実践を加速させていくとした。
とくに「実需者ニーズに即した産地づくり」では、加工・業務用実需者の求める周年安定供給ニーズ対応し、産地連携によるリレー出荷体制を構築していく。あわせて、「業務用カット野菜、全農ブランド商品向け野菜産地づくり」に取組む。
◆積極的な販売戦略
販売力強化では、米穀の業務用需要に対応して播種前・収穫前・複数年契約の拡大をはかる一方、中食・外食向けの「炊飯事業を拡大するため、東北に新たな炊飯工場を建設する」。畜産においても「惣菜・キット商品の製造施設設置の検討」など惣菜加工工場の拡充をはかっていく。
25年度に本格販売を開始した「全農ブランド商品」について、今年度以降、「毎年100本品目を目標」に商品開発していくことにしている。
そのほか、現在、レストランや直売所など42の県域店舗があるが、富山・福岡・長崎で新規出店し国産農産物の販売拡大をはかっていく。さらに現在の香港・シンガポール・米国・英国での営業態勢を強化するなど、国産農畜産物の輸出拡大にも積極的に取組んでいく。
この事業説明会は毎年この時期に開催されているが、今年はTPP問題や規制改革会議や財界からの「農協攻撃」あっても、それに負けることなく産地づくりや販売強化に積極的に取組んでいく全農の強い意思を感じさせるものだった。
(関連記事)
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