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【農業協同組合研究会 報告】日本の食を守るため命をかけて生産 JA菊池 三角修組合長2023年4月26日

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農業協同組合研究会が「JA・農業者は食料安保確立をめざす基本法見直しにどう向き合うべきか」をテーマに開いた2023年度研究大会。今回は4つの報告のうち、JA菊池の三角修組合長の報告「大農業産地のJAから基本法見直しに注文する」を紹介する。

「えこめ牛」で地球温暖化防止にも一役

JA菊池 三角修代表理事組合長JA菊池 三角修代表理事組合長

JA菊池は九州のほぼ中央にあり、平成元年に8JAが合併して誕生した。農業がとても盛んな地域で、販売高は令和3年度で285億円と典型的な経済型のJAである。

JA菊池の特産物に「えこめ牛」がある。これは「ECO」と「米」をかけ合わせた造語で平成23年に商標登録を取った。管内で取れた飼料米をホルスタインに与えたもので「えこめ牛」として売り出している。元々の餌の原料となるトウモロコシはほとんどが輸入品であり、これを日本のお米に変更できないかと、平成20年に農水省から飼料米作付試験の依頼があり取り組んできた。トウモロコシの産地は米国のイリノイ州あたりで、ミシシッピ川を下って船積みされ1か月かけて日本に到着する。この輸送にかかる二酸化炭素を減らすことが地球温暖化防止に繋がる。つまりフードマイレージ(食料の輸送距離)を下げる取り組みになる。

米の混合割合は20%まで増やし、牛1頭当たり820㎏ほどの米を与えていることになる。全農が熊本駅に出店している店で月に200キロのえこめ牛が提供され、人気ナンバーワンになっている。地下水を育むために田んぼに水を張って飼料米を作り、それを牛に与え食肉として流通されることで、平成29年には熊本県知事より、「地下水と土を育む農畜産物等認証」を受けた。令和2年には、飼料用米活用畜産物ブランド日本一コンテストでは全中会長賞を受賞した。

ペレット堆肥に複合肥料でコスト削減も

令和3年度の有機支援センター3か所の実績を紹介する。農家で一次発酵したものを約1万2000tを持ち込んでもらい、約半分の6500tを販売した。そのうち約350tがペレット堆肥となっている。ペレット堆肥の特徴は、散布のときに大きな機械を必要とせず、とて簡単に取り扱うことができる。また、圧縮しているので散布量もバラ堆肥の半分位で済む。さらに乾燥しているので軽く労力を削減できるメリットがあると考えている。

また、世界的な肥料原料の逼迫で今後も価格上昇が予想される中、ペレット堆肥と化学肥料を混ぜ合わせた堆肥入り複合肥料の開発にも取り組み、JA全農の子会社の片倉コープアグリや熊本経済連と協力して商品にこぎつけた。春の大玉スイカで試験をしたところ、試験区では慣行区に比べて10a当たり5940円は安く済む計算になった。肥料試験では玉太りもよく、かえって糖度が高くなった。

京都議定書読んで「限りある資源を使っていいのか」と疑問

私の経験を少し述べさせていただきたい。1997年12月、地球温暖化防止京都会議COP 3のとき、私は白い輪菊を作っていた。春の彼岸の需要期に出荷するには1月の寒い時期にハウスの温度を17度~18度にして10日間保つ必要があり、多くの重油が必要となる。菊の値段が高ければ重油代を差し引いても所得は高くなる計算だったが、京都議定書を読んで限りある資源を使っていいのか環境を悪化させていいかと考えた。そして最小限の暖房で、作付け時期や収穫時期、品種を変更して改善してきた。

ここでJA菊池で5、6年前から温めてきた提案をしたい。国内で収穫された農畜産物をいただく国消国産や地産地消、旬産旬消、こうした食材の選び方によって二酸化炭素の排出削減や自給率の向上に繋がる。その実現を目指して国民の皆様に理解していくことがとても大切だ。

環境配慮の食材、商品へのポイント制を提案

そこで一般商品と比べて二酸化炭素排出量が少ない食材やフードマイレージが低い商品にポイントをつけて加算してはどうか。一定期間にポイントを合計して税金を優遇するという仕組みを提案している。基本法の見直しには食料安全保障が一番であり、そのためには国内で生産されたものを国内で食べていくよう国民の理解、協力が不可欠だ。このポイント制を導入することで国民のコンセンサスが得られ、食料自給率向上にも繋がるものと思う。システム開発など大変な作業となるが、みどりの食料システム戦略やカーボンニュートラルの実現には国民の協力が欠かせない。ぜひ実現したい。

JA菊池からのメッセージで報告を終えたい。国民の皆様へ、日本で生産された農畜産物を食べてください。私達は誓います。日本の食を守るために、私達農家は命をかけて生産します。

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