JAの活動:第4回営農・経済フォーラム
【第4回営農・経済フォーラム】東日本地区実践報告・JA甘楽富岡鷺坂秀幸代表理事組合長2018年9月19日
立地を活かしたインショップで所得増大
当JAは市場外流通による直接取引で販売コストの削減に努めてきた。直販事業は2つの直売所「食彩館」と東京都内の大型量販店インショップで構成し、少量多品目による野菜振興の核と位置づけてきた。
JA自己改革は「食彩館」を利用してわれわれの取り組みを周知するようにしてきた。利用者にJAの総合事業利用に対してプレミアムポイントを付与する取り組みなどでJAの役割、事業について地域に理解を広げることに力を入れている。「食彩館から始まる新たな協同」が合言葉だ。直売所の利用者が増えることは地域の農業生産拡大にもつながる。
とくに食彩館をJA未利用者との接点確保の場とし、総合事業体としての強みを最大限発揮して、信用、共済、経済事業など複数事業利用を促していく。
組合員数は正・准あわせて1万2000名程度だが、カード発行枚数は1万7000枚を超えた。カードの利用状況は60%となっている。金融共済部とも連携し定期貯金新規獲得運動で粗品の選択肢のひとつとしてプレミアムポイント付与も企画した。
インショップ事業は東京都内の量販店を中心に平成10年に始めた。29年度で出荷金額は10億円を超えた。出荷者会員は410名。取引店舗は54店舗まで増えた。インショップでの販売を専業とする農家も増えた。
露地キュウリ、長ネギキャベツなどの売れ筋商品だけでなく、販売現場からの要望に応えて希少作物の作付けも進めてきた。新規就農者もインショップ販売で参入するようになった。JAとしても地域外から、あるいは非農家からの新規参入者にはインショップ販売主体の営農を提案している。これによって経営基盤が弱くても「食える農業」を実践している。
そのほかコンニャクの加工工場の直搬入や、パッケージセンターによる出荷調整作業の軽減などによる農家所得向上への取り組みも実践している。「少量多品目生産」と「多様な担い手」に即した産地づくりによる所得増大を今後も重視する。
(写真)鷺坂秀幸・JA甘楽富岡代表理事組合長
(関連記事)
・【第4回営農・経済フォーラム】所得増大、生産拡大へ自己改革加速を(18.09.18)
・【第4回営農・経済フォーラム】基調講演・日本大学商学部 川野克典 教授(18.09.18)
・【第4回営農・経済フォーラム】東日本地区実践報告・JA新はこだて 二本柳寛常務理事(18.09.19)
・【第4回営農・経済フォーラム】東日本地区実践報告・JA中野市 望月隆常務理事(18.09.19)
・【第4回営農・経済フォーラム】中日本地区実践報告・JA越後ながおか 佐藤勝平常務理事(18.09.20)
・【第4回営農・経済フォーラム】中日本地区実践報告・JAにしみの 加賀清孝常務理事(18.09.20)
・【第4回営農・経済フォーラム】中日本地区実践報告・JAグリーン大阪 谷川佳央常務理事(18.09.20)
・【第4回営農・経済フォーラム】西日本地区・JAしまね 坂本忍常務理事(18.09.21)
・【第4回営農・経済フォーラム】西日本地区・JA四万十 國廣純一代表理事常務(18.09.21)
・【第4回営農・経済フォーラム】西日本地区・JAふくおか八女 北島良男常務理事(18.09.21)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(174)食料・農業・農村基本計画(16)食料自給率その他の食料安全保障の確保に関する目標2025年12月27日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(91)ビスグアニジン【防除学習帖】第330回2025年12月27日 -
農薬の正しい使い方(64)生化学的選択性【今さら聞けない営農情報】第330回2025年12月27日 -
世界が認めたイタリア料理【イタリア通信】2025年12月27日 -
【特殊報】キュウリ黒点根腐病 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【特殊報】ウメ、モモ、スモモにモモヒメヨコバイ 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【注意報】トマト黄化葉巻病 冬春トマト栽培地域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
【注意報】イチゴにハダニ類 県内全域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
バイオマス発電使った大型植物工場行き詰まり 株式会社サラが民事再生 膨れるコスト、資金調達に課題2025年12月26日 -
農業予算250億円増 2兆2956億円 構造転換予算は倍増2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(1)2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(2)2025年12月26日 -
米卸「鳥取県食」に特別清算命令 競争激化に米価が追い打ち 負債6.5億円2025年12月26日 -
(467)戦略:テロワール化が全てではない...【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月26日 -
【スマート農業の風】(21)スマート農業を家族経営に生かす2025年12月26日 -
JAなめがたしおさい・バイウィルと連携協定を締結 JA三井リース2025年12月26日 -
「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業」採択 高野冷凍・工場の省エネ対策を支援 JA三井リース2025年12月26日 -
日本の農畜水産物を世界へ 投資先の輸出企業を紹介 アグリビジネス投資育成2025年12月26日 -
石垣島で「生産」と「消費」から窒素負荷を見える化 国際農研×農研機構2025年12月26日 -
【幹部人事および関係会社人事】井関農機(1月1日付)2025年12月26日


































