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農政:緊急企画:TPP11 12月30日発効-どうなる、どうする日本農業

【日本共産党・志位和夫委員長に聞く】自給率向上を突破口 亡国農政の大転換へ2018年12月6日

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(聞き手:小松泰信・岡山大学大学院教授)

 食料自給率が下がっていいという国民はいないと志位委員長。食料主権を守るために、国境措置を再構築し国内農業を振興する、この道を訴えると強調する。

 小松 「総自由化」が農業に多大な悪影響を与えようとしています。

 

 志位 このままTPP11に突入すると、農業に大打撃が及ぶことは必至です。日欧EPA、そして国民に「TAG」という嘘までついて入ろうとしている日米FTA交渉――手をこまねいていると農業への大打撃は避けられません。とくに日米FTA交渉は、品目によってはTPP以上になる可能性が大きいことを茂木敏充経済再生担当大臣が交渉前から言っています。確信犯ですよ。農産物の関税は際限なく下がり、亡国の道をまっしぐらとなる。この流れを止めなければなりません。

【日本共産党・志位和夫委員長に聞く】自給率向上を突破口 亡国農政の大転換へ

 

 小松 国民やメディアにその危機感が希薄ですが。

 

 志位 どうやって危機感を共有し、現状打開の合意をつくっていくか。まずは「食料自給率38%」の危険性を訴えていきたい。「38%よりも下がっていい」という国民はいません。自由化の道は、自給率のとめどもない低下に通ずる。食料主権を守るために、国境措置を再構築し、国内農業を振興する。この道を国民に訴えていきたい。

 

 小松 国会では真剣に議論されているのですか。

 

 志位 食料主権を守り抜くために国境措置は必要不可欠なものという観点から、一貫して議論をしてきました。2018年秋の臨時国会では漁業法改定案が大問題となっています。農業の次には漁業。浜の自治権を奪い、企業参入を緩和すれば、漁協を中心に持続可能な漁業を営んできた積年の努力が破壊されます。乱獲がすすみ、浜は荒れます。そら恐ろしさを感じます。

 

 小松 農業の成長産業化が強調されることに違和感を覚えるのですが。

 

 志位 農業の価値に対する立場が違う。規制改革推進会議の皆さんは、生産性、効率性、収益性といった企業的尺度だけで価値をはかり、農業は成長努力が足りないから企業者マインドを注入せよと単純な結論を出す。
 農業の価値はそのレベルではない。食料を生産すること自体が特別の価値をもつ。これに国土保全など多面的機能という価値が合算されて「農業の社会的価値」となります。だから、「農は国の基」であり、「基幹産業」なのです。「成長産業化」という尺度でなく、持続的に豊かな社会的価値を創出している産業として位置づけるべきです。

【日本共産党・志位和夫委員長に聞く】自給率向上を突破口 亡国農政の大転換へ

 

 小松 同感ですが、国民にそのような価値が認識されていないようです。

 

 志位 歴代自民党政府の農政は、ずっと自由化路線を歩いてきました。現政権はその総仕上げをしているわけです。国連が「家族農業の10年」を謳い、「小農宣言」を採択したのは、その価値を認め、支援しなければ地球が持続できないことに世界中が気づいたからです。この世界の動きを広く国民に訴え、「亡国農政の大転換」に踏み込むべきです。

 

 小松 具体的な農業政策は。

 

 志位 世界の国々は、大なり小なり価格保障や所得補償を講じています。アメリカですらかなりの保護をしています。差が開くのは当然です。日本は保護を弱めておいて競争力がないと、農業者やJAに競争力強化努力を一方的に押しつけています。
 家族経営を中心に据え、農業に取り組むあらゆる経営体を大事にしていく農業政策への転換が必要です。まずは農業者が安心して農業経営ができる環境整備として、「再生産可能」な価格保障と、それを補完する形での所得補償を提案したい。

 

 小松 農業でも人手不足が強調され、出入国管理法改定を支持する動きもあります。

 

 志位 外国人労働者の受け入れを拡大することに反対する政党はありません。問題は、外国人の技能実習制度の現状が示しているように、最低賃金割れの低賃金、長時間労働、パワハラ、セクハラ、はては暴力など、重大な人権侵害が行われていることです。それを放置したまま、新たな「特定技能1号」という制度をつくり、実習生をより短期の使い捨て自由の雇用の調整弁として働かせるというのが、今回の法改定です。これでは無法状態の温存・拡大・蔓延になる。日本の労働者の労働条件の悪化にもつながります。まずやるべきは、技能実習制度の存否も含めた根本的見直しをはじめ、外国人労働者の権利を保障するための改革です。

 

 小松 自国農業の保護も「保護主義の台頭」として批判されかねないのですが。

 

 志位 工業製品と食料・農業は違う。工業製品はグローバルな自由貿易を前提に発展するものです。しかし食料と農業のあり方は極めて多様で、国や地域で千差万別です。だから、食料主権は当然の権利として国々に保障されてしかるべきだし、国境措置の権利は存在するわけです。その権利の行使を保護主義と批判するのは筋違いです。

 

 小松 「他国から安定輸入し、国民を飢えさせなければいい」という逆立ちした食料安全保障論まで出てきているようですが。

 

 志位 完全な居直りですね。世界の食料事情は潤沢ではありません。飢餓人口は増加しており、2017年には8億2100万人とされています。自給努力を放棄し、買い漁るのは国際社会にとって罪深きことです。こうした食料輸入は「飢餓の輸出」であることを忘れてはいけません。

 

 小松 農業問題は、2019年夏に行われる参院選の争点になりますか。

 

 志位 当然争点にすべきです。自民党農政に対する対抗軸を野党は国民に問わねばなりません。JAには農村社会の掛け替えのないインフラとして頑張ってほしい。ここで頑張らないと、国の基が壊されてしまいます。

 

 小松 野党共闘で日本農業が再建され、食料主権が死守されることを願っています。

 

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※このほか本特集、【緊急特集:TPP11 12月30日発効】まとめページもぜひお読みください。

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